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Yahoo! Internet Guide 2003年5月号 2003年3月29日(土)
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4月7日は鉄腕アトムの誕生日
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ヒト型ロボットはどこまで進化したか?

2003年4月7日。「鉄腕アトム」の誕生日とされている日である。

 アトムとまではいかないが、ヒト型ロボットはいまや夢の存在ではない。産業技術総合研究所は3月12日、5年に及ぶ研究開発の成果として「HRP-2」のデモを行い、人間と一緒に板を運んだり、転んでも起き上がる姿などを公開した。ヒト型ロボットは、ほかにも多くのメーカーが開発を手がけている。ホンダの「ASIMO(アシモ)」、ソニーの「SDR」はいうまでもなく、富士通の「HOAP(ホープ)」、北野共生プロジェクトの「Morph(モルフ)」、東大の「H7」など、続々と登場している。4月3日〜6日には、ロボットの展示会「ROBODEX2003」も開催される予定だ。

Photo Photo
HRP
(人間協調・共存型ロボットシステム)
産業技術総合研究所などが中心となって行った国家プロジェクトでは、「人と共に働く」ことをテーマに、ホンダP3(ASIMOの原型となったニ足歩行ロボット)を使ったアプリケーション開発や、新型プラットフォーム「HRP-2」の開発などが行われた。3月をもってプロジェクトはいったん終了。HRP-2は大学などに販売される
www.aist.go.jp

Photo ASIMO
人間の顔や音声だけではなく、身振りまで認識する能力を備えた「ASIMO」。指差し動作を認識し、指された場所まで自分で移動できる。可変ピッチ旋回、八の字歩行など自在な歩行も、他の追随を許さない
www.honda.co.jp/ASIMO

 ヒト型ロボットは、もはや「歩くだけ」ではだれも驚かない。そろそろ具体的な用途が必要な段階に入っている。

 三菱重工業の「wakamaru(ワカマル)」は、ちょっとした留守番機能やホームサーバー機能などを備えたロボット。家族を識別して話しかけたり、ネットワークに常時接続し、大きな物音などの異常があった際に指定の連絡先に知らせたりする機能を持つ。来年春には市販される予定だ。もう少し役に立つ機能とホビー的要素が備われば、家庭へと徐々に普及していく日も遠くないかもしれない。

Photo
wakamaru
身長100センチ、体重約30キロ。三菱重工業が「100万円台」で家庭向けに販売するホームサーバー・ロボット。無線LAN内蔵、家族の顔をカメラで認識。約1万語を音声認識し、たとえば乗り換え情報などを会話形式で伝えてくれる
www.mhi.co.jp
Photo
SDR-4X
小さなボディに音声認識や転倒制御などの技術を集約した「SDR」。サーフボードの上でバランスをとったり、障害物マップを自ら生成して歩くことができる
www.sony.co.jp

アトムの夢を追いかける時代から
実用的な可能性を問う時代へ

 ただし、現実のロボットは、実際には「鉄腕アトム」にはほど遠い。いままでのヒト型ロボット開発は、アトムの夢を追いかけて行われてきた感が強いが、そろそろ、本当に欲しいロボットはどんなロボットか、真剣に問うべき段階に差しかかっている。この問いは、ロボットのキラーアプリは何か? という問いとイコールだ。いきなり高望みするのは難しい。現実的な普及のステップを考える必要もある。

 たとえば、ロボットは自ら歩き回ることのできるコンピュータそのものである。今後普及が予想されるユビキタスな知的環境(あらゆるものがネットワークとつながり、情報を発信/受信するような環境)の中で、重要なインタフェースとなることが予想される。周囲にセンサーが満ちた環境でのロボットの可能性について考えてみる必要もあるだろう。

 ロボット技術は、すでにそういう段階に来ているのである。いつまでもアトムの夢にとらわれるのではなく、そろそろ新しい夢を見てもよい時期だ。

Photo
ROBO-ONE
アマチュアによるニ足歩行ロボット格闘大会「ROBO-ONE」もすでに3度行われ、回を重ねるごとにレベルが上がっている。第4回は、8月8日〜10日、川崎産業振興会館にて開催予定
www.robo-one.com

Focus
ROBODEX2003
4月3日(木)〜6日(日)パシフィコ横浜にて開催
www.robodex.org

文/森山和道
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