政府の各省庁が運営する「go.jp」ドメインを持つサイト、いわゆる“行政系サイト”の人気が高まっている。ウェッブサイトの視聴率調査を行っているネットレイティングスによれば、2月の訪問者数で前年同月比1.5倍以上を達成したのは7サイト(下表参照)。利用者が増え、着実に浸透していることがうかがえる。
2003年2月
この背景には、行政系サイトのサービスが充実し、認知度が上がったことがある。2月の訪問者数第2位の国税庁では、今年から確定申告の書類の作成をネット上で行えるサービスを提供している。また、5位のハローワークも1月から、これまでの求人情報に加え、求人事業所名や電話番号などのより具体的な情報をサイトで公開するサービスを始めた。長引く不況も相まって、これらがユーザーに受け入れられた格好だ。
電子政府の一環として、いままで窓口に出向かなければできなかった手続きが、ネット上から直接行えるようになった点も大きい。国土交通省では、1999年から各種申請手続きのオンライン化に力を入れている。現在利用できる申請は企業向けのものが中心だが、2005年を目標に自動車保有関係の手続きが一括してオンラインでできるようにする計画を打ち出している。
法律の整備も進んでいる。2月3日には、電子政府・電子自治体を推進するための「行政手続オンライン化法」が施行された。これは、行政機関での申請、届け出などの手続きを、書面での手続きに加え、オンラインでも可能にするというもの。「順次システムを整え、2003年度までに、国民が行政機関に行う申請、届け出のほぼすべてをオンライン化する予定」(行政管理局)としており、今年は行政手続きのオンライン化が本格的に進むと予想される。
一方、訪問者数ランキングで根強い人気を誇るのは、郵便番号検索、郵便物の追跡サービスなどを提供する郵政事業庁のサイトだ。「生活密着系サイトは強いですね。行政系といえども、結局はサービス業。サービスの充実しているサイトがランキングの上位にくる傾向があります」(ネットレイティングス 代表取締役社長 萩原雅之氏)
生活に役立つサービスが便利なのは、民間系のサイトも行政系サイトも同じこと。今後もさらに情報が充実し、使いやすくなっていくことを期待したい。
■ネットレイティングス www.netratings.co.jp
■郵政事業庁 www.yusei.go.jp 郵便番号/料金の検索、郵便物追跡サービスのほか、郵便貯金の残高照会や電信振替ができる「郵貯インターネットホームサービス」など。
■日本道路公団 www.jhnet.go.jp 「道路交通情報」では、全国の一般道と高速道路の渋滞情報を確認できる。年末年始やお盆の帰省シーズンにはアクセスが増加。
■国土交通省 www.mlit.go.jp 「自動車交通関係」ページでは、自動車のリコールなどの最新情報を掲載。車名/型式/届出日で過去10年間のリコール情報を検索することも可能。
■外務省 www.mofa.go.jp/mofaj 海外旅行の前に「海外安全ホームページ」は必見。安全対策基礎データや領事館の情報を確認できる。イラク情勢に関する最新情報も。
■気象庁 www.jma.go.jp 天気予報、気象警報・注意報、台風情報などが見られる。気象衛星(ひまわり)映像や降水量実況・予想には動画サービスもあり。
■電子政府の総合窓口 www.e-gov.go.jp 「個人・生活」リンクから、各種行政手続きの案内、届出様式などを確認できる。全省庁のホームページを串刺し検索できるサービスも。