ADSLの場合、速度を改善するための方法は大きく分けて2種類。1つは外的な要因を取り除くこと。そして、もう1つは家庭内にある問題を解決することだ。
まずは、外的な要因を取り除く方法だが、これは非常に難しい。左ページで解説してきたように、ADSLの速度はNTT収容ビルからの距離やノイズ源などによって影響を受ける。これを改善するためには、極端な話、NTT収容ビルの近くやノイズ源がないところに引っ越すしかない。ISDNからの干渉やブリッジタップなどが原因なら、収容替え工事やブリッジタップ外しで対応できるが、距離やノイズ源に原因がある場合は、もはやどうすることもできない。
よって、現実的に可能な対策としては、もう1つの家庭内にある問題を取り除くことだ。
家庭内といっても原因はいろいろ考えられるが、まずは配線の問題から取りかかるのが得策。NTT〜自宅間の回線が外部からのノイズの影響を受けるのと同様に、家庭内のモジュラージャックから、ADSLモデムまでの間の配線も、場合によってはノイズの影響を受ける。たとえば、配線が長すぎる場合、配線の近くにAMラジオに代表されるような家電機器がある場合は、ノイズが回線に入り込んで速度が低下することがある。このような場合は、極力、配線を短くするか、ノイズ対策がなされたモジュラーケーブルを利用するとよいだろう。
また、ADSLモデムの電源の取り方にも要注意。たとえば、OAタップなどを使ってタコ足配線をしていると、電源からのノイズがADSLモデムに混入する場合がある。これも速度低下の原因になりやすいので、ADSLモデムの電源は、壁のコンセントから直接取るようにした方がいいだろう。
ADSLモデムの電源をタコ足配線している場合は、壁のコンセントから直接取るように変更。これで電源ノイズの影響を防げることも
ケーブルはなるべく短くするのが基本だが、どうしても長くしたいときはノイズに強いケーブルや、市販されているノイズ対策グッズを利用する手もある