電脳化するコンビニエンスストア
店舗は情報拠点。新たな時代の「便利」を模索中
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コンビニエンスストア内に端末機が2台あったなら、1台はすっかりおなじみになったコンビニATM、もう1台は“マルチメディア端末”だ。サービス内容はチェーンごとに多少の違いはあるものの、コンサートやレジャー施設のチケット購入、デジカメプリント、コンテンツのプリント販売などが主流。筆者はこの端末を利用している客をほとんど見たことがないのだが、複数のコンビニチェーンが相次いで参入している以上、それは無知というものなのだろう。
コンビニとネットの距離は確かに縮まった。ネットで購入した商品をコンビニで受け取り&支払うスタイルはネットユーザーに浸透しつつある。「セブンドリーム・ドットコム」など、コンビニ直営のオンラインショップも増えた。
「店舗と流通網というプラットフォームはコンビニの優位性であり、それを生かすサービスを、というのはどこも考えているはず。基本は物販だが、お客様が求めるものを提供するのは小売業の使命」(セブン-イレブン・ジャパン広報室・金子哲宏氏)
そして新たなサービス創出に向け、実験的な試みを始めるコンビニもある。だがニーズは細分化し、かつ流動的で、つかむのは難しいと金子氏は業界の苦悩を代弁する。また利用者側には、「近くに対応店舗がなければどんなサービスも意味がない」という宿命的な現実が横たわる。
コンビニはとっくに“選ぶ”時代になっている。都市圏でなくとも可視範囲に複数のコンビニが林立する風景は珍しくない。
「100%『ウチに来てください』は無理。『こんなことやってます、寄ってください』でなければ」(金子氏)
われわれはコンビニに何を求めているのか。長らく“便利”の代名詞だったコンビニが、電脳化によって新たな時代の“便利”を模索している。
無線LAN利用、オンラインCD検索 &試聴、電子書籍閲覧 |
■ポスタルローソン(ローソン)
www.lawson.co.jp
コンビニもホットスポットに。東京・渋谷の代々木郵便局内に8月5日オープン。店内にはコーヒーが飲めるカウンター席も用意する。無線LANサービスは東京電力とam/pmが運営する「TEPCO de am/pm」でも実験中
チケット購入、デジカメプリントなど (マルチメディア端末) |
■ファミポート(ファミリーマート)/E-TOWER(スリーエフ)/Loppi(ローソン)
www.family.co.jp/sho/fami
www.three-f.co.jp/e-tower
www4.at-lawson.com
ファミポート(写真)はデジカメ写真のプリント、ザウルスで読める電子図書購入、Yahoo!ゆうぱっくの利用などができる。ファミリーマートは端末が設置されていない店舗もあるので注意
■ネットプリント(セブン-イレブン)
www.printing.ne.jp
外出の多い営業マン向けのサービス。現在はAirH"ユーザーが対象。サーバー上にアップロードしたパソコンのデータを、全国の店舗に設置されたマルチメディアコピー機でプリントアウトできる
■フルタイムボックス(am/pm)
www.fts.co.jp/ampm
店内に郵便・宅配物受け取りロッカーを設置、荷物が届いたらメールで知らせてくれる。2003年3月より首都圏の3店舗で試験的に実施。便利度は高く期待がかかるが、現在システムの見直しを実施中
ほかにもあるコンビニ電脳サービス
ローソン
- ローソンオンラインラボ(有料のオンラインアルバムサービス)
- @LAWSON(ショッピングサイト)の商品受け取り&支払い
- 楽天、HMV、トイザらス、上新電機などのショッピングサイトの商品受け取り&支払い
- Loppi(旅行予約/チケット販売/ショッピング/各種申し込みに対応)
- iプリント(対応のiモードコンテンツがプリントできるサービス)
セブン-イレブン
- マルチメディアコピー機(コピー/FAX送信/チケット販売/資格検定申し込み/住宅地図/航空券代金支払いなどに対応)
- ネットプリントから楽譜、ポスター、法令書式などの販売
- セブンドリーム・ドットコム、イーエスブックスの商品受け取り&支払い
- お食事配達サービス(ネットから注文受付)
ファミリーマート
- ファミマ・ドット・コム(ショッピングサイト)の商品受け取り&支払い
am/pm
- サイバーデリス便(ネット注文可能な宅配サービス)
- 電子マネーEdy決済に全店で対応
- TEPCO de am/pm(東京電力と協力して展開、インターネットコーナー、無線LANサービスなどを提供。現在2店舗)
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文/山崎明子
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