あらゆるモノにICタグ
商品の生産情報、ショップ情報、子どもの位置までわかる
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無線アンテナを組み込んだ小さなICチップに、IDなどの情報を持たせ、それを無線で読み書きできる「ICタグ」の実証実験が、各方面で活発化している。
NTTデータ、丸紅、マルエツが11月23日まで実施中なのは、食品流通にICタグを活用する実験。流通過程の検品作業を効率化したり、スーパーの店頭で、利用者が商品の詳しい情報を見られるサービスを提供する。実験店舗となるマルエツ潮見店の店頭には、専用の端末が設置され、これにICタグシールの貼られた食品をかざすと、端末がIDを読み取り、情報センターに蓄積された食品の原材料や、生産者のメッセージといった情報を表示する仕組みだ。
食品に貼られたシール状のICタグ。読み取り機能を持った端末が、無線でこのICタグの持つID情報を認識し、それをもとに1つひとつの食品を管理することができる
NTTデータビジネス開発事業本部の宮代透氏によれば「流通過程の履歴を管理し、その情報を提供することで、消費者に安全性をアピールすることができる」という。また複数のICタグを一度に読み取ることもできるため、将来的には、カゴに入れた商品をレジにかざすだけで金額が計算されたり、家庭の冷蔵庫に入れた食品の賞味期限を閲覧するといったことも技術的には可能という。しかし、ICタグがいまのバーコードのように、すべての食品に付けられるようになるには、まだ少し時間がかかりそうだ。印刷できるバーコードと異なり、ICタグは1つにつき約百円のコストがかかってしまう。「消費者がこのコストを負担しても、ICタグの付いた商品を買いたいと思うような付加価値を提供していくことが今後の課題」と、宮代氏は語る。
マルエツ潮見店には4台の端末が設置されている。この端末の台に商品を載せると、その商品のID情報をもとに、情報センターに蓄積されたさまざまな情報が表示される
商品の原材料や流通経路、生産者からのメッセージ、調理方法といった情報を見ることができる。NTTデータでは、今回の実験を通じて消費者の求める情報を探っていきたいという
一方、ICタグを子どもに持たせることで、親が子どもの居場所を確認できる実験も行われている。NTT西日本、NTTシスコム、大日本印刷が実施するもので、ICタグとカメラを連動させ、親がインターネットを通じて、幼稚園の子どもの姿を見られるというもの。また、六本木ヒルズでは11月より、ユーザーがICタグの埋め込まれた端末を持参すると、そのID情報をもとに、あらかじめ登録された携帯電話にメールで情報配信する実験を開始する。インターネットなどを通じて、モニターを募集している。
ICタグは、すべてのモノや人がネットワークにつながる「ユビキタス社会」実現のキーアイテムともいわれるもの。現在実施中のものも含め、その可能性を探るため実証実験は、今後もさらに活発化しそうだ。
幼稚園児にICタグを持たせ、これとウェッブカメラを連動させて、親が自宅などから子どもの姿や位置情報を確認できる仕組みを提供する。Bフレッツを使用するため、セキュリティを確保しつつ、情報提供が可能だという。NTT西日本、NTTシスコム、大日本印刷の3社では、ほかにもICタグを使った商品管理などの実験を実施予定だ
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モニター利用者にICタグ付きの端末「R-クリック」を配布。利用者が六本木ヒルズの施設で端末の無線をオンにすると、そのICタグのID情報をもとに、あらかじめ登録されている携帯電話宛に情報メールが配信される。設置されたディスプレイのインフォメーションについて、より詳しい情報を受け取ったり、近くのお店の情報を得るといったことが可能
