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Yahoo! Internet Guide 2002年7月号 2002年6月24日(月)
高速インターネット入門

かつてのブロードバンドの主役
最近はADSLに押され気味

 かつては日本のブロードバンドを牽引する立場にあったCATVだが、ADSLの大ブレーク*1後は主役を奪われた感があり、精彩を欠く状況だ。ただ、CATV事業者側でもこの現状に手をこまねいているわけではない。接続速度の高速化や料金の値下げで対抗措置を講じている。Yahoo! BBの登場以来、下り8Mbpsがブロードバンドの基準速度として定着したため、これまで通信速度を明確に示さない*2ことが多かったCATV事業者も、しっかりと速度表記をするところが増えている。そして、この4月、速度面ではADSLを大きく上回るCATVインターネットが登場した。

従来のCATVの概念を超える
30Mbpsの超高速サービス開始

 イッツコム(旧東急ケーブルテレビジョン)は、4月15日から下り30Mbps、上り10Mbpsのサービス「かっとびワイド」を月額5900円(モデムレンタル料700円を含む)で開始した。CATVがいよいよ反撃に出たところだ。ちなみに、CATVで下り30Mbpsのサービスを実現しているのは、現在イッツコムだけだが、KCNケーブルテレビ(奈良市・生駒市)がこの夏から「KブロードCABLE30」の名称で30Mbps接続を提供する予定だ。

 さて、CATVユーザーにとって、その動向が大いに気になる30Mbpsサービスだが、開始当初は設備の関係で町田市、横浜市北部のごく狭いエリアでしか利用できない。そのため「提供可能な百数十世帯からの申し込みを受け付けて順次工事を行っている最中」(イッツ・コミュニケーションズ 経営管理部総務課・小松千晃氏)と、まだまだ本格的な展開でない現状を明かす。

 すぐに本格展開できないのには理由がある。幹線に同軸ケーブルを利用した従来型のCATV網では、通信容量の問題で30Mbpsサービスを提供できない。そのため幹線を、HFC*3(光ファイバー)化する。また、センター側のモデムを30Mbps対応機種に変更する必要もあるのだ。イッツコムでは、対応が完了した地域から順次かっとびワイドのエリアを拡大するとしており、具体的な時期は未定ながら「港北区は比較的早い時期に対応可能であり、14年度内には弊社の神奈川エリア全域でサービスを開始したい」(小松氏)

CATV固有の問題で
提供エリア拡大には限界

 ただ、イッツコムが今後30Mbpsサービスのエリアを拡大してもそこには限界がある。当然のことだが、エリア外のユーザーは、どんなに希望しても利用できないのだ。旧郵政省の規制の名残でCATVサービスは、地域ごとに事業者の住み分けが図られている。地域で複数の事業者がサービスにしのぎを削るという構図はない。ユーザーからすると選択肢の多い方がうれしいが、CATVは一地域1社が原則で、エリア外のユーザーはあきらめるしかない。

 ここにはCATV事業を行ううえでのコストの問題が大きく横たわる。電柱にケーブルを敷設*4してそれを維持管理するだけで莫大な費用が必要になり、ほかの事業者により、めぼしいユーザーが“刈り取られた”地域への進出は大きなリスクが伴うのだ。事業者側もあえてリスクを冒してまで進出しようとは考えないのである。

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