「下り30Mbps、上り10Mbps」というカタログ値で提供されているかっとびワイドだが、残念ながら実効速度はそこまでは出ない。「30Mbpsはあくまでも理論値*5であり、実際には下り10Mbps、上り4Mbps程度」(小松氏)と説明する。ただ、光ファイバーやADSLにしても、理論値と実効速度は大きくかけ離れる例が多いので、致し方ないだろう。ただ、CATVはADSLと異なり、距離による速度低下がない点は安心できる。だが、CATVには別の弱みがある。近隣のユーザーと回線を共有する仕組みのため、同時に多人数が利用すると速度低下が顕著なのだ。筆者はCATVインターネット(イッツコムではない)の利用者だが、日ごろから昼と夜の著しい速度差を体感している。
■30Mbpsサービス 高速化の仕組み 従来の方式より高い周波数まで使用し、かつバックボーンを光ファイバー化することによって通信容量が根本的に増えている。またテレビ放送などには、従来のホームターミナルではなく、デジタルセットトップボックスを使う
この点に関してイッツコムでは「1つのノード(分岐点)には、かっとびワイドの場合は最大500ユーザー(他メニューは1200)までしかぶら下げない。これで1ユーザーあたりの帯域*6は1Mbpsを確保できる」(小松氏)。一般的なプロバイダのADSLの場合は1ユーザーあたり数十K〜数百Kbps程度なので、これが1Mbpsなら、かなりの実効速度が期待できそうだ。
なお、HFC化が完了した30Mbpsサービスのエリア内であれば、申し込みから約2週間で開通する。既存のユーザーがコースを変更する場合はモデム交換だけで対応可能だ。
かっとびワイドでは、グローバルIPアドレスが動的に割り当てられる。ちなみに、ほかのメニューはプライベートIPアドレスの動的割り当てだ。最近は、IP電話やファイル共有ソフトなど、グローバルIPアドレスの方が便利に使えるソフトが多数登場しているので、うれしい配慮だ。
ただし、グローバルIPアドレスが割り当てられたパソコンは不正アクセスに対して無防備なので、ファイアウォールやブロードバンドルーターを導入するなどして自己責任で対処しよう。小松氏も「かっとびワイドは、そのような知識を持ったユーザーに使っていただきたい」と語る。