個人のホームページにバナー広告が貼られるようになり、もう2年くらいの月日が流れた。安定して数千〜数万円の副収入が得られるということで、小遣い稼ぎの方法としてはすっかり定番になったが、まだバナーを貼っていないサイトも多々見かける。そこで、もう一度その仕組みを確認し、可処分所得の増大に思いを馳せてみよう。

　バナー広告というのは、自分が作っているホームページに広告主のバナーを貼り付けて、そのバナーがクリックされる度に10〜25円の報酬が支払われるというもので、それなりにヒット数のあるサイトを運営している場合、かなりの儲けが期待できる。

　バナー広告のクリック率はおおむね1パーセントなので、1日800ヒットあるサイトの場合、8×25円で毎日200円、月に6000円稼ぐことも不可能ではないのだ。

　最近では日記系と呼ばれるサイトが人気を博し、1日に10万ヒットを超えるサイトも登場してきているが、そのようなサイトの管理人は適当にダラダラと文章を書いているだけで月に50万円くらいの報酬を受け取っているのである。

　仮に日記の内容が貧乏くさいものであったとしてもそれは偽りの姿であり、実際は暖炉のある部屋でガウンを羽織り揺れる椅子に座りブランデー(X・O)を飲みながらキューバ産の葉巻を吹かしつつサイトの更新をしているとみてまず間違いない。世の中、狡猾な思考に基づき行動する人間のみが生き残る、まさに「人生の勝ち組」といってもいいだろう。

　しかし、このバナー広告、実は既に峠を越えているという見方もある。かつて業界の風雲児と呼ばれ渋谷に家賃月額1600万円のオフィスを構えていたメディアレップ大手のサイバーエージェントが、10月31日付でこのクリック保証型バナー広告事業である「サイバークリック」から撤退することを発表したのだ。

　サイバーエージェントといえば、競合相手のバリュークリックジャパンよりも若干審査に通りやすかったこともあり、ロクでもないホームページしか作成することができない無教養な若者を救済する社会的使命を担っていた側面が少なからずあったが、IT不況の波は我々の想像をはるかに超えて弱者切り捨てを加速させていたのである。

　だが、そのような社会的背景を考慮しても、いまだなおバナー広告から小遣いを得る方法は手堅いといえる。今すぐ自分のホームページにバナー広告を貼ろう、1日のヒット数が10万を超えているのであれば。

• バリュークリックジャパン
  サイバーエージェントがバナー広告から撤退したいま、その両肩にはネチズンのパトロンとしての使命がずしりとのしかかる
  www.valueclick.ne.jp

てゆ〜か悪用厳禁　11/11