最初は月5000円稼げれば十分っしょ? ネットで金を稼ぎたい！ そうだ、バナーを貼ろう、稼ぎすぎたら脱税で逮捕されるゾ！

　ここだけの話だが、ネットで小遣いを稼ぐ方法はいくらでもある。インターネットを3カ月もやっていれば、次のようなメールを受け取ったことがあるだろう。

「広告媒体とEメールを使って副収入1000万円を稼ぐ!　今から2、3カ月後には200万円以上の副収入を得ることができる、無理だと思いますか?」

　どのような幸運もある日突然にやってくる。それまでは居酒屋で飲み食いしたときに10円の位までワリカンにしていた友人が、ある日突然「ああ、今日はおごるよ。(ワラ」と言い出したら、その友人はまず間違いなく「あなたは本当に運良く、残りの人生を優雅に暮らせるようになる方法を、今、手中に収めようとしているのです。全くリスクがなく、ほんの少しの努力と時間で、2、3カ月のうちに、今まで想像したこともないような大金を手に入れることができるのです!」というセリフでおなじみの、選ばれた人だけが参加できる幸運なプログラムに参加していることだろう。ほとんどの人は、そのような人生を変えるほどのチャンスをみすみす見逃して、今日もまたホテル代までワリカンにするという取り返しのつかないミスを犯してしまっている。

　重要なのは、情報化社会の流れに取り残されないよう常にアンテナを張り巡らせておくことと、最初の一歩を踏み出すほんの少しの勇気を持つことなのである。だがしかし、彼は本当に選ばれた人間だったのだろうか……。

　ありきたりなマルチ商法や、ネットオークションを利用した詐欺に引っかかる人が後を絶たない。これらは、ネットが普及する以前からあるタイプの銭儲けで決して目新しいわけではなく、「今そこにあるネット犯罪」などと騒ぎ立てるマスコミは全く見当外れとの形容がふさわしい。しかし、あるウイルサーが駆け出しのころ、遊ぶ金欲しさに数十万円する商用アプリケーションをCD-Rに焼いて、それをアキバの路上で売っていたという過去も決してクールとはいい難いのもまた事実だ。では、我々の小遣いはどうやって稼がれるべきなのか。

「カチッ、カチッ」。耳を澄ませば聞こえてくる合言葉。クリックに象徴される行為こそが21世紀。そうだ!　バナー広告を貼ろう!

てゆ〜か悪用厳禁　10/11