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本田雅一が検証:薄型テレビはどうなる? 「2012 International CES」で見えてきた2つの新しい潮流 (1/3)

世界最大の家電トレードショーでは、大きく2つの動きが顕在化していた。1つは、業界全体がスマートテレビに向けて大きく舵を切ったこと、2つめは、さらなる大画面化と高画質化だ。

 世界最大の家電トレードショー「2012 International CES」が、1月10日から13日まで米ラスベガスで開催された。例年、世界各国の家電メーカーがどのような方針で製品を展開していくのか。技術、経営、マーケティング、それぞれの側面で各社の方針を反映した新製品・新技術・新メッセージが発信される。

 今年のCESにおけるテレビのトレンドを俯瞰(ふかん)してみると、大きく分けて2つの動きが顕在化していることが分かる。1つは、業界全体が“スマートテレビ”に向けて大きく舵を切ったこと、そして2つめは、テレビの本流ともいえる大画面化と高画質化だ。

ts_ceshonda01.jpg 「2012 International CES」のメイン会場となったLVCC(ラスベガスコンベンションセンター)の前で

 振り返ってみると、テレビ業界の過去十数年は、かつてない激動の時だった。テレビ放送とテレビ受像機がそれぞれのデジタル化を果たし、同時にハイビジョンへの移行が進行した。ディスプレイはブラウン管から液晶などの表示パネルへと変化し、同時に薄型・大画面化も進んだ。

 デジタル放送への移行が完了し、ハイビジョン対応も当たり前となり、昔は夢のように語られていた薄型テレビが珍しくなくなった。テレビは進化の方向を見失いつつある――そんな雰囲気もあるように思う。

 一方でスマートフォンやタブレット端末の台頭があり、その前には3D対応という節目があった。映像の楽しみ方が多様化する中、各メーカーが訴求する内容も多岐にわたる。以前ならば、高画質化と大画面化が”太い”ベクトルで描かれていたのに対し、今は色々なベクトルのメッセージが飛び交っている。その1つがスマート化だ。

セカンドスクリーン向けの技術も続々

ts_cesbooth020.jpg 展示会場の様子

 この「スマートテレビ研究所」では、“スマートテレビ”というものを、ネットワークで提供されるサービスに柔軟に対応できるテレビととらえ、その上でいくつかのアプリケーション(応用)を紹介してきた。スマートフォン連携やDLNA、VoD(ビデオ・オン・デマンド)などが一例だ。

 一方、インターネットテレビやIPTVなどと呼ばれた従来型のテレビと何が違うのかといった“定義づけ”の部分では、いくつかの方向性は示しても明確な答えを出してはいない。実際に製品が普及し、誰もが認めるデファクトスタンダードでも登場しない限り、答えにはならないからだ。しかし、これまでに示した方向性が間違っていないという確信を今回のCESで得ることができた。

 その1つが、スマートフォンやタブレット型端末を用いる“セカンドスクリーン”に取り組むベンダーが増えていること。例えば、デジタル指紋技術を提供しているオランダのCivolutionは、映像内の音声データに“指紋”を織り込んでおき、節目になると自動的にスマートフォン上に関連情報を表示するアプリケーションを展示していた。これは、スマートフォンのマイクから見ている番組の音声を拾い、音声の中に指紋を検出すると、対応するコンテンツを表示するというものだ。

 こうしたセカンドスクリーンの技術は、とても利便性が高い。スマートテレビ研究所でも何度か触れたが、一度慣れてしまうと手放せなくなるのである。もちろん、番組と連動した情報提供となると放送局側の協力も欠かせないが、業界内でセカンドスクリーンが1つの流れになっていることは間違いない。

 一方、スマートテレビ研究所のシンポジウムでも話題になり、分室のアンケートでは“ほしい機能”の上位にあった「ソーシャルメディア連携」――つまりテレビの画面を使って「Twitter」や「Facebook」などにアクセスするといった機能は、相対的に存在感と重要性が下がってきているようにも感じる。ソーシャルメディアの閲覧や書き込みといった作業は、テレビ画面で行うより、手元のセカンドスクリーンのほうが適しているからだ。

 そもそもテレビは映像を楽しむための装置。ならば、同じ機能拡張でもテレビや映画などの番組を中心に、その楽しみを寄り広げるために何ができるかを考えればいい。業界としての目標がハッキリと定まってきた今、この分野はさらに発展していくだろう。

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アイティメディア営業企画/制作:ITmedia +D 編集部/掲載内容有効期限:2012年2月19日

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