画質だけじゃない、麻倉怜士の「スマートビエラ」活用指南(1/3 ページ)

“Smart VIERA”(スマートビエラ)が進化した。アプリやネットワーク機能だけではなく、ユーザーインタフェースやパネル技術も総動員して、使えるスマートテレビを作り上げている。パナソニックの自信作、スマートビエラ2013年春モデルをAV評論家・麻倉怜士氏が徹底的にチェック。

» 2013年03月29日 10時00分 公開
[麻倉怜士,PR/ITmedia]
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パナソニックが考えるテレビのパーソナル化

 私は毎年1月に米国で開催される「International CES」へ取材に行っていますが、今年は、パナソニック・津賀一宏社長の基調講演に注目しました。北米ではテレビメーカーというイメージが強い同社が、実は“B to B(企業間ビジネス)の巨人”でもあることを積極的に紹介する内容であったことは強く印象に残っています。パナソニックについては、松下電器産業の時代から日本では知らない人はまずいませんが、米国ではあまり浸透していないため、改めてパナソニックというメーカーの立ち位置を紹介したのです。

パナソニック・津賀一宏社長の基調講演

 中にはそこだけを捉えて“脱テレビ”などという報道もありましたが、それはミスリードというべきもの。基調講演では「Your TV」という言葉で新しいテレビのあり方を提案し、テレビ事業をしっかりとやっていくことを印象づけていました。また、北米販売会社(パナソニック コンシューマーマーケティング ノースアメリカ)の北島嗣郎社長にインタビューしたときも、昨年までは“エコ”やIT系の話題が中心でしたが、今年は「テレビのパーソナル化」が最重要テーマに持ってきたということでした。

 では、パナソニックが考える「Your TV」――“テレビのパーソナル化”とは、どのようなものでしょう。それは見る人の趣味や嗜好に最適化されたテレビのこと。「テレビに映し出せるデジタル放送、ネット動画、アプリなど多種多様なコンテンツの中から、望む物を指先1つで呼び出せる“窓”になりたい」というのです。北米では従来のIPTV(インターネットテレビ)にアプリの概念を加えた“スマートテレビ”が人気を集めていますが、Your TVはその進化形といえるでしょう。

 このYour TVの考え方を体現した製品が、“Smart VIERA”(スマートビエラ)の2013年春モデルです。例えば「DT60シリーズ」や「E60シリーズ」」に搭載された「マイホーム」機能は、テレビの電源を入れると最初に表示されるホーム画面をカスタマイズして、好きなアイコンを並べることができます。

液晶ビエラの新スタンダードモデル「DT60シリーズ」。写真は55V型の「TH-L55DT60」

 パナソニックは2011年に「ビエラ・コネクト」の提供を開始し、テレビ向けのアプリやネットワークコンテンツを多数そろえてきましたが、今までは使うためにメニューの階層をたどっていく必要がありました。しかしマイホーム機能なら、お気に入りのアプリ、よく見る動画共有サイト、そして天気予報やカレンダーといったくらしに役立つ情報まで、ホーム画面に並べておけます。パソコンのデスクトップに並べるショートカットといえば分かりやすいでしょう。電源を入れるだけで、普段使う機能にすぐにアクセスできる、そんな便利な仕組みを作りました。

マイホーム画面に並べられる要素。テレビのメニューはもちろん、アプリやネットサービスなども充実している

「麻倉のホーム」の中身とは?

 カスタマイズといってもイメージしにくいと思いますので、実際に1つ作ってみましょう。私は今回、AV評論家という仕事で役に立つコンテンツを並べてみたいと思います。

 まず、編集者と連絡をとるために「Skype™」を入れます。連載している記事が掲載されたらTwitterで皆さんに告知するので「Twitter」アプリと連載記事を掲載している「ITmedia Lifestyle」へのショートカットを加えます。それにカレンダーは外せません。ほかにテレビ番組の録画予約一覧、番組表を加えて、ホーム画面に名前を付ければ完成です。普段、スマートフォンやPCで予定を管理していますが、やはり毎日使うテレビに表示されると安心感が違います。

これが「麻倉のホーム」

 もう1つのポイントは、このホーム画面は複数作成できること。「DT60シリーズ」のような大型テレビ(42V型、47V型、55V型)は、リビングルームの中心に置かれるものです。家族で快適に使えるよう、それぞれもマイホーム画面を持つことができます。例えば「お父さんのホーム」など、ホーム画面に分かりやすい名前を付けておくと便利です。

 もちろん、1人でいくつものホーム画面を駆使することもできます。プリセットされている4種類のマイホームは、画面を分割して裏番組なども一覧できる「テレビのホーム」、天気予報やメモなどが設定されている「くらしのホーム」、ネットコンテンツ中心の「ネットのホーム」、そしてテレビ番組が全画面表示される「テレビフルスクリーン」と目的別に便利な組み合わせ手を提案しています。この中から自分の目的に近い物を選び、それをベースにカスタマイズするのもよいアイデアです。

マイホームは複数用意して選択できる(左)。プリセットされている「ネットのホーム」には、よく使うWebサイトのブックマークや「YouTube」などが並んでいる(右)

「テレビのホーム」(左)と「くらしのホーム」(右)

 アプリ登録などの操作はいたって簡単。リモコンの十字キーで選んでいくだけのシンプルな操作で目的のコンテンツを並べることができます。また、DT60シリーズの頭脳は「ユニフィエ2」ではないということでしたが、それでも実にレスポンスが早く、カーソルの移動でもストレスは感じません。直感的に使えること、そしてスムーズにサクサクと操作できることが印象的でした。

 米国では、すでにテレビで見るコンテンツの半分以上が“ネット経由”になったといわれています。日本はまだデジタル放送が強いですが、数年後には米国に近い状況になっているかもしれません。実際、現在のようにインターネットの動画配信が普及するなど、十年前はほとんど予想できませんでした。単に放送を見るだけでなく、ネット経由のコンテンツにも焦点をあて、個人がアクセスしやすい仕掛けをテレビが持ったことは、大きな進歩といえます。

 ただ、いくら便利な機能を搭載しても、テレビの基本である映像がしっかりしていなければいけません。次は、スマートビエラ2013年春モデルの画質と新機能をチェックしていきます。


家族の中心に置きたいテレビとは?

 本編で家族それぞれのホームを作ることを紹介しましたが、パナソニックはそれ以外にも家族に便利な機能を多く取り入れています。家族で1台のテレビを使うときに問題になるのは、まずチャンネル争いですが、例えばUSB外付けHDDを使う録画機能は、視聴時間をずらすというタイムシフトを可能にしました。DLNA/DTCP-IPを活用した「お部屋ジャンプリンク」はプレイスシフト。そして家族それぞれのポータル画面を持てる「マイホーム」は、パーソナライズしたテレビを皆で使うための利便性を追求したものです。もちろんテレビを複数台持つ手段もありますが、それでは家族が別々に過ごす時間ばかりが増えてしまいます。やはり家族が集まるリビングルームを大切にしながら、必要なときはスマートに解決する手段は有用です。



麻倉怜士(あさくられいじ)氏 略歴

 1950年生まれ。1973年横浜市立大学卒業。 日本経済新聞社、プレジデント社(雑誌「プレジデント」副編集長、雑誌「ノートブックパソコン研究」編集長)を経て、1991年にデジタルメディア評論家として独立。自宅の専用シアタールームに150インチの巨大スクリーンを据え、日々最新AV機器の映像チェックを行っている“映像の鬼”。現在は評論活動のほかに、映像・ディスプレイ関係者がホットな情報を交わす「日本画質学会」で副会長という大役を任され、さらに津田塾大学の講師(音楽史、音楽理論)まで務めるという“3足のワラジ”生活の中、精力的に活動中。最近、名刺に記載していた「ハイビジョンラバー」という肩書きを「スーパーハイビジョンラバー」にアップグレードした。


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提供:パナソニック株式会社
アイティメディア営業企画/制作:ITmedia LifeStyle 編集部/掲載内容有効期限:2013年4月28日

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