液晶で満足ですか? 画質の基準を変えた「有機ELテレビ」の真価とは教えて、怜士先生!(2/3 ページ)

» 2016年11月01日 10時00分 公開
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麻倉氏:有機ELテレビは、電圧をかけると発光する性質のある有機材料というものを使用します。画素の1つ1つが光を出す、一般的に“自発光”と呼ばれる構造なので、黒を表示したければその画素にかける電圧をゼロにすればいいんです。そもそも発光していませんから横に光が漏れることもなく、“漆黒”を表現できます。しかもバックライトがいらないので、テレビ自体もここまで薄くできるというわけです。

初音:なるほど。

麻倉氏:漆黒が表現できるというのは、実は画質を語る上で非常に大切なことです。液晶テレビでは、黒いところが黒くなるというのは“夢物語”のようなことでした。でも、映像のベースというか、“大元”は黒なんですよ。映像にとって、黒はわれわれが立っている大地のようなもの。そこがスポンジみたいにフワフワしていたら歩くことさえ難しいですよね。黒がそんな状態では、映像自体もフワフワしてしまいます。黒がしっかりしていると、色の表現や見る人の感じ方も変わります。だから漆黒を表現できるというのは、画質を上げる上ですごく有利です。最近、「HDR」や「ハイダイナミックレンジ」といった言葉を聞いたことありませんか?

初音:「HDR」……スマホのカメラアプリに書いてあった気がします。

麻倉氏:そうですね。HDRというのは「High Dynamic Range」の略で、カメラで記録したり、画面に表示したりする映像における“明るさの幅を広げよう”という考え方です。人の目というのは非常に性能が良くて、とても幅広い明るさを認識できます。しかし、今までの映像機器はさまざまな制約があり、表現できる明るさの範囲は狭かったんです。例えばテレビですごくきれいな映像を見たとしても、それを実際の風景と間違えることはありませんよね? 立体感があまり感じられないため、人の目はテレビと実際の風景は別モノだと捉えていました。それが今までのカメラやテレビの限界だったんです。

 ところが最近、人の目が感じ取れる範囲に近いところまで画像や映像の質を上げようという動きが出てきました。それがハイダイナミックレンジ。ただし、テレビだけ明るくなっても効果は薄いので、映像を記録するカメラや編集作業、そしてテレビに届ける伝送手段まで、同時に変えていく必要があります。伝送手段には複数の種類があり、例えばUltra HD Blu-rayのようなパッケージソフトのほか、CS放送、そして「Netflix」のようにインターネットを使う形もあります。それをHDR対応のテレビで見ると素晴らしい映像を見ることができます。

初音:このテレビもHDRに対応しているんですよね。

麻倉氏:そう。しかも最近の4KやHDRのトレンドに合わせ、同時に表現する色の範囲も広がっていますが(10it化、BT.2020対応など)、有機ELは黒が安定しているので、その上に載る色もしっかり表現できます。

 先ほど人の目はテレビの映像と実際の風景を間違えないくらい性能が良いと話しました。でもこれからは、見間違えるような映像が出てきても不思議ではないんです。例えば風光明媚なスイスの風景をテレビに表示したら、まるでスイスに行って窓から風景を眺めているような体験を得られるようになるでしょう。今までは単なる情報として眺めていたテレビが、いずれは現地の空気感や臨場感をも伝える“窓”のような存在になるかもしれません。

初音:もう夜中にグルメ番組は見られませんね。

麻倉氏:お腹が空きそうですよね。でも、こうした進歩は既に始まっていて、実は身近なところまで来ています。例えば「Netflix」はオリジナルコンテンツのDolby Vision(ドルビービジョン)対応を進めていて、日本のユーザーも見ることができますよ。

初音:ドルビービジョンってなんですか?

麻倉氏:ハイダイナミックレンジの考え方を提唱した会社が作ったHDR方式の1つで、映画スタジオなどにも採用されています。実は、LGエレクトロニクスの有機ELテレビは、国内で唯一、Dolby Visionまでサポートしているテレビなんですよ。その効果については実際に画面を見ながら説明しましょう。

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麻倉氏:ハイダイナミックレンジでは、従来のテレビでは白く飛んでしまうような明るいところでも色がちゃんと出ます。この後ろにあるボートのシアンの色が分かりますよね。水に夕日が当たっている感じも違います。海の反射の中にちゃんと緑がありましたね。

初音:はい。すごくきれいです。

麻倉氏:ビール瓶の表現も違います。ビンの透明感がすごいですね。クッションの色も褪せずに出てますし、女性の肌の日焼け跡もすごく生々しい。今までのテレビではここまで表現することは難しかったんです。

初音:あ!(注:女性が水着を脱いじゃいました)。こ、高画質でなんという……。

麻倉氏:ははは、人の肌の見え方もすごいでしょう

初音:おじさんの鼻の毛穴が……毛穴が……。

麻倉氏:これは見えすぎかな。撮影する側も、もっと4KやHDRでの見せ方を意識する必要がありますね。

初音:画面がすごくきれいなのは分かりました。でも、お高いんですよね?

麻倉氏:そうですね。この製品や最新の77V型「77G6P」などはプレミアムモデルなので、当面は余裕のある人か、映像好きなマニア層が購入する段階でしょう。ただ、LGエレクトロニクスのラインアップには「B6P」という価格を抑えたシリーズもあって、そちらは既に“1インチあたり1万円”を割り込んでいます。2006〜2008年頃に同じような値段でプラズマテレビを購入したマニア層には良い選択肢になるのではないでしょうか。

初音:プラズマテレビはマニアな人が買うものだったんですか?

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提供:LGエレクトロニクス・ジャパン株式会社
アイティメディア営業企画/制作:ITmedia LifeStyle 編集部/掲載内容有効期限:2016年11月28日