文/吉澤亨史 イラスト/山下隆二、さとうゆり
今やブロードバンド接続の代名詞になりつつあるADSLだが、NTT交換局からの距離によって利用できるサービスが制限されたり、実効速度が落ちることがある。ADSLサービスが利用できるかどうかを判断する要素には「線路長(回線距離)」や「伝送損失」があり、一般的にADSL 8Mサービスは5km前後、12Mサービスは7km前後が利用限界とされている。NTT交換局との距離が7km以上離れていると、ISDNしか選べないわけだ。また、利用限界距離でなくても伝送損失が大きいと、ADSLでは実用的な速度が出ないこともある。
リーチDSLは、このようなユーザーでもブロードバンドを楽しめるサービスだ。既存の電話線を使用するxDSLの一種だが、上りも下りも同じ周波数帯域で同じ転送速度を使用する「対称型」であり、「非対称型」のADSLとは異なる規格だ。使用するモデムも専用のもので、パソコンとクロスケーブルで接続する。最大転送速度は960Kbpsとなる。
以前はYahoo! BBユーザーに対する代替サービスという扱いであったが、現在は新規申し込みにも対応している。リーチDSLの利用料金は8Mサービスと同様で、月額ADSLサービス料が990円、ISPサービス料が1290円、モデムレンタル料が690円、プラスNTT ADSL回線使用料(NTT東日本168円、NTT西日本176円)となるが「15コの0円キャンペーン」でほとんどが無料になる。もちろんBBフォンも利用可能だ。