知財高裁、Samsungの抗告を棄却 アプリダウンロードについてAppleの特許侵害なし
知的財産高等裁判所は3月15日、アプリのダウンロード機能やアプリストアについて、AppleはSamsung電子の特許を侵害していないと判断。2012年9月の東京地方裁判所の決定を支持し、Samsung電子の抗告を棄却した。
知的財産高等裁判所が3月15日、Samsung電子がAppleを相手に起こしていた、「iPhone 4」「iPhone 4S」の輸入・販売の差し止めを求める仮処分命令の、却下の取り消しを求め抗告していた件について、抗告を棄却するとの決定を下した。
今回争われていた特許は、アプリケーションをスマートフォンや携帯電話にダウンロードして機能を追加する仕組みと、そのアプリをダウンロードするためのアプリストアの構造に関するもので、「携帯電話機」という名称で登録されている(特許第3781731号)。この特許は2003年に日立国際電気が出願し、2006年に登録されており、2011年10月14日に移転登録を経てSamsung電子のものとなった経緯がある。
Samsung電子は、AppleのiPhone 4およびiPhone 4Sと、アプリケーションストア「App Store」の仕組みがこの特許を侵害しているとしてAppleを訴え、販売差し止めの仮処分命令の申し立てをしていたが、東京地方裁判所は2012年9月14日にこの申し立てを却下。その後Samsung電子はこの決定を不服として、知的財産高等裁判所に原決定の取り消しと、改めて仮処分命令の申し立てをしていたが、棄却された。
Samsung電子とAppleは、スマートフォンやタブレットを巡って世界各地で訴訟合戦を繰り広げており、日本でもPCとスマートフォンの間で音楽や映像などを同期する技術やパケット通信に関する技術など、複数の事案で争っている。
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