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ドコモのツートップ戦略と「iPhone」発売でメーカー激動の1年ITmediaスタッフが選ぶ、2013年の“注目端末&トピック”(ライター太田編)(1/2 ページ)

2013年の出来事で印象深いのはNECカシオとパナソニック モバイルのスマホ撤退。そしてドコモのツートップ戦略とiPhone発売と続き、SIMフリースマホや格安SIMも話題となった。

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 2013年はスマートフォン、タブレット関連のニュースが本当に多くて、取材に走り回っているうちに、あっという間に1年が過ぎ去ってしまった。中でも特に印象に残っているのは、やはり携帯電話市場を牽引してきた2大メーカーの撤退と、NTTドコモのツートップからのiPhone発売。そして、SIMフリースマホ&MVNOの普及だ。

「やっぱり」と受け入れられた、2大メーカーのスマホ撤退

 個人的にはとても驚いたのだけれど、業界的には「やっぱり……」と、案外すんなりと受け入れられてしまった感もある、NECカシオモバイルコミュニケーションズと、パナソニックモバイルコミュニケーションズのスマートフォン撤退。ケータイからスマートフォンへシフトするタイミングが遅れたことなど、要因はいろいろあるのだろうが、最終的に背中を押したのはやはり、今夏ドコモが打ち出した「ツートップ戦略」ではなかったかと思う。

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「MEDIAS X」は、女性でも片手操作しやすい4.7インチのスリムなスマートフォン。CPUの熱を逃がすヒートパイプや、ヘッドフォンコネクタ内が光るイルミネーション、縦横スクロールで操作できるオリジナルホームなど、独自機能が盛りだくさん。折りたためる2画面で世界をあっと言わせた、「MEDIAS W」に続く意欲作だった

 ドコモとしてもユーザーの流出が続く中で苦渋の選択だったのだろうが、NEC、パナソニックといえば、長く携帯電話市場を牽引してきた2大メーカー。直前にリリースされたスマートフォンも、ケータイから買い替えるユーザーの利便性を考え抜いた意欲的なものだっただけに、本当に残念でならない。シャープの「Mebius」が、Windows 8タブレットで「Mebius Pad」として復活したように、いつの日か「MEDIAS」や「ELUGA」がまた違ったカタチで再登場することを願うばかりだ。

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「ELUGA P」には、ケータイとまったく同じ配列の入力キーなど、初めてスマートフォンに乗り換えるユーザーに配慮した機能が多数搭載されていた。アイコンを下半分に集めることで片手操作を可能にしたオリジナルUIや、指が届くところまで画面を引き下げられる機能など、かゆいところに手が届く独自機能には感心しきりだった

夏モデルなのに非防水で、大きく負け越した「GALAXY S4」

 ドコモが今夏のツートップとして掲げたのは、「Xperia A」と「GALAXY S4」だった。前者は「Xperia Z」の流れをくみつつも、持ちやすいサイズ感&デザインを採用したモデル、後者はグローバル展開されている大画面フラッグシップモデルだ。筆者はフルHD有機ELディスプレイの美しさに一目ぼれして後者を選んだのだが、夏商戦を制したのは前者の「Xperia A」だった。価格がより手頃だったということもあるだろうが、「GALAXY S4」が夏モデルながら非防水だったことも、理由の1つだったように思える。

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米国・ニューヨークで開催された「SAMSUNG mobile UNPACKED 2013」で、フルHD有機ELディスプレイの美しさに魅せられ、発売とほぼ同時に購入した「GALAXY S4」。5インチの大画面ながらスリムで持ちやすく、使いやすいスマートフォンだ

 サムスン電子は日本専用として開発した秋冬モデルの「GALAXY J」にも、防水性能を搭載しなかった。その一方で海外ではすでに、防水対応の「Galaxy S4 Active」が発売されている。来年はぜひ日本にも防水モデルを投入してほしいところだ。

 また「Xperia」シリーズは2013年、「Xperia Z」から「Xperia A」、秋冬モデルでは「Xperia Z1」「Xperia Z1 f」と、ハイエンドモデルとその流れをくむコンパクトモデルを、バランス良くラインアップしていたのが印象的だった。全モデルに共通のデザインコンセプトを用いたことも、ブランド力を高めることにつながったのではないか。iPhoneの対抗馬としては、今年最も目立った存在だったように思う。

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テレビ、デジタルカメラ、ゲーム、音楽コンテンツなど、ソニーのいろいろな技術、コンテンツが総動員された「Xperia Z1」。特にカメラにはコンデジの技術がうまくシフトされている。電源ボタンにメタル素材を用いたデザインも、すっかりおなじみとなった

待ってた人は多かったけど、ちょっと遅かった? ドコモ版iPhone

 ツートップ戦略を経て、9月にはドコモからついに「iPhone 5s/5c」が発売された。これは間違いなく2013年の1、2を争うビッグなニュースだろう。筆者の周囲にもドコモ版iPhoneを心待ちにしていた人が本当に多く、20日の発売日は文字通りのお祭り騒ぎだった。SPモードメールの対応が約1カ月遅れるなど、いろいろ間に合っていなかったところをみると、ドコモのバックヤードではさらに、大変な騒ぎだったのだろうと想像がつく。

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発売イベントとその後の会見に、「iPhone」のロゴが入ったポロシャツ姿で登場したドコモ加藤社長。iPhoneの取り扱いという条件が横並びになったことから、今後はますます、料金やネットワーク品質、コンテンツ、サポートといったキャリアのサービスの差に注目が集まることになりそうだ

 その甲斐もあって、10月、11月はMNPの純増減数でプラスに転じたドコモだが、かといって今もユーザーの流出が止まったわけではない。“たら、れば”の話をしても仕方がないが、もしエリア、速度とも、LTEでは「Xi」がぶっちぎりだった1年と少し前に、ドコモが「iPhone 5」を発売していたら状況はどうなっていただろう……と想像せずにはいられない。

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