Lenovo、Project Tango対応スマートフォン「Phab 2 Pro」を発表 9月発売で499ドル〜
Lenovoが、Googleの「Project Tango」に対応したスマートフォン「Phab 2 Pro」を発表。価格は499ドルからで、9月に海外で発売する。スマホの画面で自宅の家具を配置したり、部屋に恐竜を表示させたりするなど、スマホ単体でAR(拡張現実)体験ができる。
Lenovoが6月9日(現地時間)、米サンフランシスコで開催した「Lenovo Tech World」にて、世界初の「Project Tango」対応スマートフォン「Phab 2 Pro」を発表。価格は499ドル〜で、2016年9月から海外で販売する。日本での発売は未定。
Project Tangoとは、Googleが展開している、モバイル端末に3D空間を認識する能力を持たせる取り組み。LenovoはGoogleと提携してPhab 2 Proを開発している。
厚さ約8.9ミリのアルミボディーにQHD(1440×2560ピクセル)対応の6.4型ディスプレイや、端がカーブした2.5Dガラスを搭載。
カメラは0.3秒の高速オートフォーカス対応の1600万画素のアウトカメラ、800万画素のインカメラのほか、奥行きを検知する「デプスカメラ」と、被写体の動きを検知する「モーショントラッキングカメラ」を搭載する。カメラの下には指紋センサーも搭載した。音響にこだわり、5.1チャンネルのサウンドを楽しめる「Dolby Audio Capture 5.1」にも対応する。バッテリー容量は4050mAhで、従来モデルよりも2.4倍速く充電ができるという。
プロセッサは、Tangoアプリが動作するために最適化したという、QualcommのSnapdragon 652を搭載する。Lenovoによると、Project TangoはSnapdragonなしには実現しなかったとしている。通信はLTEをサポートする。ストレージは64GB、メインメモリは4GBを内蔵している。カラーはシャンパンゴールドとガンメタルグレイ。
Project Tangoの具体的な用途として、ゲーム、バーチャルペットや恐竜の鑑賞、部屋で家具を配置する際の測定などを想定している。いずれもカメラで写した現実空間をベースにした「AR(拡張現実)」によって実現している。
発表会では、現実の空間を活用したドミノで遊ぶ、部屋の中で決められたスペースを測定する、椅子や机などの家具を部屋に配置する……といったデモが紹介された。
特に利便性を実感できそうなのが、部屋のスペースを測定できること。スマホ側が部屋の空間を認識し、指定した範囲の長さを算出してくれる。例えば冷蔵庫や洗濯機を購入する際、通常だと設置スペースの長さをメジャーで測るが、Phab 2 Proならカメラをかざし、画面に触れて範囲を選択するだけでスペースを測れる。アプリを使えば、画面上で実際に部屋に家具を配置することも可能だ。
ほかに教育現場での活用も考えており、例えば普段は博物館で見るような恐竜を、部屋や教室の中で原寸大に表示させることもできる。
Project Tangoに対応したアプリはGoogle Playに公開されている。
このほか、Project Tangoには対応しないミッドレンジスマートフォンも発表。1300万画素カメラやDolby Audio Capture 5.1、ノイズキャンセリングを搭載する「Phab 2」(199ドル〜)、ARエフェクト対応カメラや6.4型HDディスプレイを搭載する「Phab 2 Plus」(299ドル〜)を、2016年夏に発売する。
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