ここでは、FTTH利用者の満足度を、ADSL、CATVインターネット利用者の満足度と比較する形でまとめてみよう。
まず、総合満足度についてだが、FTTHに対する満足度は77.1%とかなり高い。いまの時点でFTTHを導入している人は、インターネットに対する意識の高い人が多いはず。そういった人々をも満足させられるのだから、FTTHの実力の高さがうかがえる。
ただし、その一方で23%近くの人が不満を感じているという現実もある。この不満は、料金に対するものであることが、料金満足度を見ると推測できる。およそ32%の人が「不満」もしくは「やや不満」と答えている。いくら高速だとはいえ、FTTHの料金は、(アンケート実施当時)最も安価な有線ブロードネットワークスでも月額6100円。料金面だけに目を向けると確かに高い。
一方、FTTH利用者の中で、速度に「不満」もしくは「やや不満」と答えている人も、18.4%に達している。期待したわりには速度が出ないということだろうか。FTTHの場合、ADSLなどと違って回線部分は安定しているはずなので、宅内設備(パソコンやルーター)の性能か、上流プロバイダの実力に問題があると思われる。
開通までにかかった時間を、FTTH、ADSL、CATVインターネットで比較したのが右のグラフだ。FTTHの導入には時間がかかるという定説があるが、この結果を見る限り、10日以内に開通した人が30%にも上り、その定説も覆されようとしている。全体的に見ても、ほかの2回線と比較して遜色ないどころか、かえって早いくらいだ。ただし、ADSLの成績の悪さは、昨年開通の遅れを大量発生させたYahoo! BBの影響があると思われるので、いまならもう少しよい結果が出るだろう。
さて、FTTH開通の早さの秘密はどこにあるのだろうか? 実は、有線ブロードネットワークスやNTTでは、提供エリアとして申し込み受付を開始した時点では、すでにエリア一帯の電柱に幹線光ファイバーを敷設し終わっている場合が多い。申し込み受付後は、加入者宅まで支線を延ばす作業を行ったあと、宅内に引き込むだけだ。この作業がスムーズに進行する例が多いということだろう。