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NIIと日本テレコム、GMPLSベースの全光パスリルーティング実験に成功

» 2004年03月17日 19時44分 公開
[RBB Today]
RBB Today

 国立情報学研究所(NII)と日本テレコムは、GMPLSをベースにした全光パスリルーティング実験に成功した。

 両者は2002年1月から将来の学術情報ネットワークに関する研究開発を進められており、今回の実験はこの一環として実施された。なお、これら2社のほか沖電気、シスコシステムズ、三菱電機も加わっている。

 実験では、2つのルータ間を2ルートで接続するネットワークを構築。この2つのルートは、光パスで接続されており、光クロスコネクト装置(PXC)で切り替えられるようになっている。

実験ネットワークの構成図

 この結果、一方のルートで障害が発生しても、ほかのルートを検索し、障害側の光パスを切断、正常なルートに切り替える制御が成功した。なお、これら一連の制御は7秒以内に完了する。この7秒は長く思えるが、IPネットワークにおけるリルートが数分かかることを考えると非常に短いと言える。

 さらに、実験ではPXCはCalientと三菱電機、WDM装置はNEC、IPルータはCiscoといったように異なるベンダーの機器が混在しており、これらの相互運用性も確認された。また、研究室内の光ファイバーではなく実際に敷設された光ファイバーを利用したことも特筆すべき点だ。

説明に立った日本テレコムの笠(りょう)史郎氏。「2社の機器を接続するのも大変だが、今回は4社で行った」と相互運用性が確認されたことも強調した

 用途としては、災害時のバックアップ、学術ネットワークにおける臨時的な光パス(帯域)の確保が挙げられる。さらに、波長で直接結ぶため遅延やゆらぎの少ないネットワークが構築できるメリットもある。