3G携帯はオフィスLANに取って代わる?
コンシューマーは世界中で稼動に入っている高速な3G携帯ネットワークから多くの期待を持たされてきたが、3Gには企業が期待できるものがたくさんあるだろうか?
香港で今週開催の3G World Congressでキャリアや機器ベンダーが語ったことから考えると、あまり期待は持てないようだ。だが携帯電話に配信される映画の予告編やミニドラマに関する話題には、企業が注目すべきヒントが幾つかある
多くのキャリアは3Gを利用して遍在的な高速インターネットアクセスを携帯電話、PDA、ノートPCに提供することを話題にした。モバイルワーカーは既に、一部の公共スペースで数Mbpsのデータ転送速度のWi-Fi無線LANに接続できるようになっている。だが3GネットワークはWi-Fiよりずっと低速だが、Wi-Fiにアクセスできない場所で、それなりの速度でアクセスを提供すると3G World Congressの講演者らは語った。
「無線ナレッジワーカーは柔軟で効率的で、顧客に対してより責任を負っている。会議と会議の間に外で過ごす数時間がすぐに生産的な時間になるだろう」とSiemens CommunicationsのCEO(最高経営責任者)ローター・パウリ氏は講演で語った。
おそらくもっと魅力的なのは、企業が間もなくすべてのデータと通信ニーズに対して無線ネットワークを利用でき、1社のベンダーと1つの契約を交渉できるようになることだと同氏。一部の国家では既に携帯電話が固定電話に取って代わっており、3Gネットワークはその状況をオフィスLANにまで拡大するかもしれないとも同氏は語った。
「3Gが進化し、帯域が増えるにつれて、1つのIPベースネットワークですべての種類のサービスを準備する問題は解決可能なものになっている。オフィス向け固定回線へのニーズは既に消え始めている。これをデータネットワーク、さらに社員が自宅で使っているサービスにまで拡大しよう」(パウリ氏)
今日の3Gネットワークは一般的にたった200K~400Kbpsのスピードで、オフィスのLANに取って代わることはまだなさそうだ。だが、HSDPA(High Speed Downlink Packet Access)または「3G evolved」と呼ばれる改良版の技術が間もなく登場する予定であり、この技術は接続スピードが3M~4Mbpsだとキャリア各社は話している。日本のNTTドコモはHSDPAサービスを2005年に提供開始するとしている。
しかし今日の3Gネットワークでも、企業ユーザーにとってある程度の魅力はあると講演者らは語る。建設業界では、3Gビデオ携帯を使って、例えば現場や建材に関する情報を手早く共有するという用途を見出していると3 Hong Kongのマネージングディレクター、アグネス・ナルディ氏。「画像は言葉よりも多くの情報を伝えられる」
またビデオ携帯は、新しいマーケティングチャネルも提供する。「携帯電話に映画の予告編をダウンロードできるというのは、映画会社にとってキラーアプリだ」とNews Corp.のコンテンツ・マーケティング担当上級副社長ルーシー・フッド氏は語った。
コンシューマーは自分の携帯電話でサッカーの試合のハイライトや音楽のコンサートを見ることができ、そしてビジネスユーザーは経済ニュース番組を見て、シンプルなテキストを見るよりも簡単に情報に追いつくことができると同氏は主張した。
何人かの講演者は、キャリアは3Gへの巨額の投資――特に欧州キャリアは3G免許に数十億ユーロを支払った――を回収するつもりなら、企業向けのサービスを提供しなくてはならないだろうと語った。
Far Eastern Economic Review誌のマネージングディレクター、クリストファー・グレイブス氏はパネルディスカッションで、「あなた方は自分自身に大きく深い穴を掘った」と語った。高額な企業向けサービスを提供することでしか、投資を回復することはできないだろうと同氏。
それでもほとんどのキャリアは、明らかにまずコンシューマーに目を向けている。CRM(顧客関係管理)などビジネス向けアプリケーションの話はほとんど出なかった。手始めにノートPC向け3Gアクセスカードで企業ユーザーを狙っているT-Mobile Internationalさえも、コンシューマー向けサービスに主な焦点を切り替えつつあると、同社の執行副社長ルッツ・シャーデ氏はパネルディスカッションで話した。
「コンシューマーこそ多くのチャンスがある分野だ」と同氏。
3G World CongressはHong Kong Convention and Exhibition Centerで11月19日まで行われる。
Copyright(C) IDG Japan, Inc. All Rights Reserved.
こんなメディアも見られています
ITmedia NEWSに関連する情報をお探しであれば、こちらのメディアもお役に立てるかもしれません。
SpecialPR
本日の新着記事
アクセスランキング
-
1
OpenAI、数学者の独立諮問グループと連携 内部モデルは「100件超の未解決問題を解決」
-
2
Google、「Googlebook」の予約受付開始 899ドル(約14万円)から
-
3
“自動で耳コピ”アプリ、ヤマハが無料公開 音源読み込み→3分でピアノ譜に
-
4
OpenAI、フロンティアAIの国際標準づくりを米国主導で進めるよう提言 「RSIはまだ起きていない」
-
5
FANZA、成人向けAI創作・公開サービス「FANZAスタジオ」発表 先行体験は8月24日から
-
6
YouTube、収益化基準を2027年に大幅引き上げへ 新規参加条件が従来の2倍に
-
7
経営「AIでラクして早く帰って」→社員「帰らない」 工数最大9割減のDeNAも悩むAI効率化の壁
-
8
今度は“ディスプレイなし”のAIグラス、「Rokid Ai Glasses Style」を試す
-
9
Amazon、MetaのAIエージェント「Muse」による代理購入をブロック Shopifyは全店舗で対応へ
-
10
新作「鬼武者」にハマったマンガ家が熱弁する、他とは違う“パリィ”の魅力とは?
ITmedia NEWS SNS
インフォメーション
注目情報をチェック
ITmediaNEWSをフォロー
あなたにおすすめの記事PR