Amazon、MetaのAIエージェント「Muse」による代理購入をブロック Shopifyは全店舗で対応へ
米Amazonが、米MetaのパーソナルAIエージェント「Muse」がユーザーに代わってAmazon.comで買い物をするのをブロックしたと、米GeekWireが9月20日(現地時間)に報じた。AmazonはMetaに対し、Museの対象からAmazonを自主的に外すよう求めたが受け入れられなかったとしている。
20日夜の時点で、Museを使ってAmazonで買い物をしようとしたユーザーには「許可されていないAIエージェントによるアクセスを継続することは、お客様が同意したAmazonの利用規約に違反します」というポップアップが表示されるようになったという。
Amazonの広報担当者はGeekWireに対し、「顧客に代わって購入を行うサードパーティアプリは、オープンに運用し、参加するかどうかについてのサービス提供者の判断を尊重すべきだ」とコメント。「Museのようなエージェント型サードパーティアプリにも同じ義務があり、MetaにはAmazonをMuseの対象から外すよう要請した」と述べた。
Amazonの主張によると、MetaはMuseがAmazonのストアにアクセスすることを事前に伝えておらず、Museは閲覧時に自らをAIエージェントだと明示していないという。また、Museは顧客の認証情報を取得・保存しているとみられ、プライバシーやセキュリティ上のリスクにつながる恐れがあるとしている。顧客が指示すれば、Museはアカウントページや注文履歴にもアクセスできるため、Amazonが知らないまま、同意もしていない第三者が顧客アカウント内を操作し、取引を処理し、機密データを扱っている状態になると説明した。Amazonは、フードデリバリーアプリと飲食店、旅行予約サイトと航空会社の関係を例に挙げ、顧客に代わって購入するサービスは通常、販売側の合意の下で運用されていると述べた。
Metaは同日夜の時点でGeekWireのコメント要請に応じていない。同社はMuse発表時に、Museはユーザーのパスワードや決済情報を見ることはなく、ユーザーが共有した認証情報は安全なストレージに保管され、Museはその値を見ずに利用できると説明していた。
Museは連携先サービスに公開APIがあればユーザーが提供した認証情報で接続し、APIがない場合は「人間と同じようにWebブラウザでサービスを利用できる」としており、今回問題となっているのはこの仕組みだ。
一方、MetaはMuseに対応するECプラットフォームの拡大をアピールしている。カナダShopifyのトビ・ルトケCEOとMetaのアレクサンダー・ワンCAIO(最高AI責任者)は21日、それぞれXで、全てのShopifyストアでShop Payを使ったMuseによるエージェント決済を可能にすると発表した。ワン氏は「Museユーザーに幅広いストアへのアクセスを提供し、最適な商品を見つけられるようにしたい」と投稿している。Metaは発表時からShop Payとの連携を予定していた。
Amazonは過去1年、外部のAIエージェントを自社サイトから締め出す動きを続けている。2025年11月には、米PerplexityのAIブラウザ「Comet」のAIエージェントがユーザーに代わってAmazonで買い物をするのをやめるよう要求し、Perplexityはこれを「いじめ」だと反発。Amazonはその後Perplexityを提訴した。GeekWireによると、AmazonはGoogleやOpenAIのショッピングエージェントのブロックにも動いている。
Amazonは、この問題についてMetaと直接協議していると説明した。法的措置を検討するかについてはコメントを控えた。
両社は事業上のパートナーでもある。2023年からFacebookやInstagram内でAmazonの商品を購入できるようになっているほか、Metaは4月、エージェント型AIの処理をAmazonの「Graviton」チップで実行する数十億ドル規模の契約を結んだ。
Museは9月8日に米国で提供が始まり、公開から1週間で米App Storeの無料アプリランキングでChatGPTを抜いて1位になった。AmazonもAIによる買い物支援を進めており、5月には商品を調べて推薦するAIエージェント「Alexa for Shopping」を投入した。外部ブランドのサイトで商品を購入する自社機能「Buy for Me」については、エージェントであることを明示し、ブランド側が参加をオプトアウトできる仕組みだと強調している。
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