携帯オークションでは「チャレンジャー」──ドコモと楽天が提携
NTTドコモと楽天は10月11日、インターネットオークション事業で業務・資本提携すると発表した。楽天がオークション部門を分社化して設立する新会社にドコモが出資し、PCと携帯電話を連携したオークションサービスを展開する。
携帯電話向け電子商取引(EC)は順調な成長が見込まれており、KDDIは「ビッダーズ」を運営するディー・エヌ・エー(DeNA)と組んでオークションサイトの直営に乗り出している。ドコモと楽天は両社の強みとノウハウを持ち寄り、国内最大級のサイト構築と市場開拓を図っていく。
楽天が手掛ける「楽天フリマ」と「楽天スーパーオークション」のうち、楽天フリマ部門を分社型(物的分割)・新設方式で分割し、12月1日付けで新会社「楽天オークション」を設立する。
新会社が同月中に実施予定の第三者割当増資の引き受けなどでドコモは約42億円を出資する。増資後資本金16億5000万円で、出資比率は楽天60%、ドコモ40%となる予定。新会社の代表取締役は楽天の三木谷浩史社長が兼任し、取締役は楽天側から三木谷社長を含む3人、ドコモ側から2人が就任する。
具体的サービスは未定
新会社はPCと携帯電話の両方からシームレスに利用できるネットオークションサイトを運営する。NTTドコモは約4500万人のiモードユーザーを抱え、モバイルインターネットサービスの先駆けとして培ったノウハウを提供。楽天は、9月末時点で約530万品の出品量がある楽天フリマの運営経験を注ぎ込む。
新サービスの開始時期や決済方法など、具体的な詳細については「細部はまだ検討中」(ドコモの中村維夫社長)として明らかにしていない。新会社のオークションシステムは楽天フリマをベースとし、調達資金を活用して増強していく計画だ。
勝機十分のモバイルオークション市場
「オークションノウハウを持つ楽天との結びつきは意味がある」(ドコモ・中村社長)「ECと携帯最大手のノウハウを融合し、モバイル向け市場を拡大するのが提携の趣旨」(楽天・三木谷社長)──10月11日に都内で開いた会見で、両社トップは“強者連合”のメリットを強調した。
モバイルEC市場は順調に成長しており、三木谷社長によると楽天もモバイル経由の取引は約1割を占めており、「将来は半々になるだろう」と見る。さらに「PCの流行がモバイルに伝播するのは結構遅い」(ドコモの夏野剛執行役員)。既に一服感があるPC向けネットオークションの“次”としてモバイル向けが期待されている。
モバイルオークションで先行するDeNAの「モバオク」は、7月から利用料の有料化に踏み切った。同社によると、無料だった6月末までの会員数は170万人だったの対し、有料化後の7月には28万人に減ったが、9月末までに約4割増の39万人まで拡大した。出品数も6月末の130万品から、会員数が減った9月末には逆に151万品にまで増えた。
伸び盛りの兆しが見えてきたモバイルオークションだが、夏野執行役員が「PCベースの最大手は、モバイルでは存在感は大きいとは言えない」と指摘するように、PCに比べチャンスはまだ十分にある市場でもある。モバイルオークションではDeNAと組んだKDDIの取り組みが一歩先を行き、ドコモは「チャレンジャー」(中村社長)という立場だ。だが楽天と組むことで「発射台の高いところからオークション事業を始められる」(三木谷社長)というわけだ。
ドコモの中村社長は「既存分野で出てきてないジャンルのコンテンツでは、FOMA701iシリーズの『iチャネル』のように、ドコモが開拓していくこともある」とオークション分野に自ら乗り出したねらいを説明する。資本参加する以上は新会社の企業価値の最大化を目指すとし、必要なら新会社が他キャリアと提携することも容認する姿勢だ。
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