CES 2018
“隠れ高血圧”の発見に役立つ腕時計型の血圧計、オムロンが開発
オムロンヘルスケアは、世界初(同社調べ)となる腕時計型の“ウェアラブル血圧計”を開発し、「CES 2018」に参考展示した。いつでも血圧を測定できることで、“隠れ高血圧”の発見や効率的な治療に役立つという。
外観は、ほぼ腕時計。しかし、一般的な血圧計と同様、「カフ」と呼ばれる空気袋を内蔵し、腕を圧迫して高精度の血圧計測を可能にした。計測時には腕を心臓の高さに上げ、ボタンを押すだけ。「会社にも持って行ける他、就寝中にタイマーで血圧を測定できる」という。活動量計としての機能も備え、歩数や歩いた距離、消費カロリー、心拍数、睡眠時間の計測が可能だ。
厚生労働省が発表した平成28年(2017年)の「国民健康・栄養調査結果」によると、収縮期血圧(最高)が140mmHg以上の人は男性の34.6%、女性で24.8%。過去10年間で男女とも減少しているものの、日本人の3人に1人は高血圧。高血圧は、虚血性心疾患、脳卒中、腎不全などのリスクを高めるとされている。
しかし、高血圧は自覚症状がない場合も多く、「健康診断では引っかからなくても、例えば寝起きは血圧が高いなどの“隠れ高血圧”の人もいる」(オムロンヘルスケア)という。「弊社では社長の提案で社員全員が血圧を計測しているが、健康診断で異常がなかったのに実は血圧が高い人が10%もいた」。安静時を含めて日常的に血圧を計測できる血圧計があれば、こうした隠れ高血圧を発見する機会も増える。「本人が気付かない高血圧のリスク(脳梗塞や心筋梗塞など)を把握し、これらの発症を未然に防ぐことが狙い」
治療の効率化にも一役買いそうだ。高血圧の原因は生活習慣や遺伝など人によってさまざまで、治療方法も食事療法から血管の収縮を抑える薬、ホルモンの感度を抑える薬など、いくつかのアプローチがある。その患者に適した薬を見つけるため、病院ではある薬を2週間程度服用し、効果がなければ次の薬に変えるといった形になることが一般的だ。時間がかかり過ぎて患者が面倒に感じ、病院に足が向かなくなることも多い。
しかし手軽に使える血圧計で計測機会を増やせば薬の効果も把握しやすい。オムロンヘルスケアでは、「いかに早く原因や治療法を突き止めるか。これが今後の血圧治療のポイントになる」と指摘。将来的には、血圧計のデータをAI(人工知能)で解析し、医師と連携して治療方法を素早く割り出すといったことも検討しているという。
腕時計型血圧計は医療品として販売する方針で、認可を受ける必要があり具体的な発売時期については「未定」だ(米国で認可申請中)。米国で2018年中、日本でも2018年度中の実用化を目指している。
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