ソニー、10年度の営業益は5倍に テレビ販売は1.6倍の2500万台目標
ソニーの2010年度の営業利益は前期から5倍の1600億円を見込む。テレビ販売が1000万台増の2500万台と強気の見通しを掲げ、PS3の逆ざや解消も貢献。
ソニーは5月13日公表した2010年度(2011年3月期)の連結業績予想(米国会計基準)では、営業利益が09年度(10年3月期)の5倍となる1600億円を見込む。テレビ販売を前期から1000万台増の2500万台に拡大するほか、ゲーム事業でもプレイステーション 3(PS3)の逆ざや状態が解消して利益に貢献。構造改革による損益改善も進み、最終損益も黒字転換を見込んでいる(PS3の逆ざや解消、ソニーのゲーム事業、黒字化見込む)。
10年度の売上高予想は前期比5%増の7兆6000億円。映画、音楽、金融で減収を見込むが、薄型テレビ販売の大幅な拡大やVAIOやReaderの販売増で全体では増収を予想。損益改善で営業益、税引き前利益とも5倍以上の増益を見込み、最終損益も500億円の黒字を見込む。
テレビ事業は09年度に前期比40万台増の1560万台を販売し、売上高は21%減の1兆円、営業損益は730億円の赤字だった。今期は約1000万台増の2500万台へと大幅増を見込む上、コスト削減による損益改善効果もあり、営業損益は「1000億円くらい改善する」(大根田伸行CFO)と数百億円の黒字化を予想する。
前期から1.6倍という強気の販売台数目標だが、大根田CFOは、09年度に1億5000万台だった世界市場が10年度に1億8000万台に拡大する見通しもあり、08年度並みの市場シェアを回復すれば不可能ではないとした。半数は外部生産する計画で、パネル調達にも問題はないとの認識。また、全体の10%は3D対応にしたい考えだ。
09年度は2期ぶり営業黒字に
09年度の連結決算は、営業損益が318億円の黒字となり、2期ぶりに営業黒字転換した。2月時点では400億円の営業赤字を見込んでいたが、価格下落が想定よりも進まず、構造改革による固定費削減効果も想定を上回った。
売上高は6.7%減の7兆2140億円。税引き前損益は269億円の赤字(前期は1750億円の赤字)、最終損益は408億円の赤字(同989億円の赤字)と、赤字幅も改善した。
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