パナソニック、プラズマの7割を3Dに 12年度目標、新中期計画
パナソニックは、12年度までの新中期計画で薄型テレビの商品力強化を掲げる。プラズマは7割を3D対応に、液晶は6割をLEDバックライト化する方針だ。
パナソニックは5月8日、2012年度(13年3月期)まで3カ年の中期経営計画「GT12」を発表した。薄型テレビなどを含む「ネットワークAV事業」を6つの重点事業の1つと位置付け、薄型テレビの3D化・LEDバックライト化やデジタルカメラのシェア拡大を掲げた。
ネットワークAV事業では、売上高を2009年度(三洋電機分を合算)の1兆6000億円から、12年度に2兆1500億円まで引き上げる。薄型テレビの商品力を強化し、プラズマテレビでは3D対応モデル比率を12年度に7割にまで高め、「3D=パナソニック」という3Dブランド確立を目指す。液晶テレビはLEDバックライトの採用を進め、12年度にLED比率を6割に高める計画だ。
ただ、薄型テレビ事業は「売り上げ成長以上に、収益性改善が課題」(大坪文雄社長)として、11年度の黒字化を必達目標として掲げる。新規投資の抑制や部品点数の削減、OEM/OEM活用といったコスト削減に加え、3D・LED化による販売価格引き上げ、新興国向けボリュームゾーン商品の強化などで収益改善を図っていく。
デジタルカメラ「LUMIX」は年間2000万台の販売でトップ3入りを目指す。小型軽量が特徴の一眼カメラでは、専任マーケティング担当者をグローバルに配置するなどし、シェア10%以上の獲得が目標。コンパクトでは三洋電機とのコラボレーションによるラインアップ強化で新興国中心に新規需要取り込みを図っていく。レンズや光学式手ブレ補正など、ブラックボックス技術を進化させ、薄型・軽量化、高画質化を進める。
中期計画全体では、太陽電池などエナジー分野への注力、グローバル志向の徹底などを掲げる。12年度に売上高10兆円、営業利益率5%以上、株主資本利益率(ROE)10%を目指す。
10年度は最終黒字転換へ
2010年度の連結業績(米国会計基準)は、純損益が500億円の黒字(09年度は1035億円の赤字)を見込む。最終黒字は07年度以来。
売上高は8兆8000億円(09年度比19%増)を予想。新興国市場がけん引する。営業利益は2500億円(31%増)、税引き前損益は1500億円の黒字(09年度は293億円の赤字)。全セグメントでの増収増益を見込んでいる。
関連記事
- 「3D産業革命をリードする」 パナソニック、初の「3D VIERA」
世界初となるフルHD対応3Dテレビをパナソニックが4月に発売。「3D産業革命を起こし、パナソニックがリードしていく」と意気込む。 - パナソニックの3Dテレビ、発売1週間で売り切れ 米国で
3Dテレビが売れるのかどうか、懐疑的な見方をする向きもいるが、少なくともパナソニックの3Dテレビは米国でよく売れているようだ。
関連リンク
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.