ファイルメーカーPro ユーザーの現場を探る
第6回 神戸女学院大学で、i-modeを使った蔵書管理・面談管理システムを構築(2/6)
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文献管理の方法
川村先生によると、研究のために必要な記録を残しておくために、従来のやり方としては、研究ノートをつくり、対象となる本に対して1冊のノートに、事実などを再構成して記述する方法、一定書式のカードにメモを記録する方法があるそうです。必要に応じて、関連したトピックの研究ノートやカードを探し出して照合しながら、新たに構想を練っていくことになります。
一方、コンピュータのデータベースを使えば、文献の書誌データと、その文献に対するメモを検索することができます。川村先生のファイルメーカーProシステムの場合、書誌データとメモがリレーションをとられているので、たとえば「戦争」というキーワードがメモに含まれている文献を検索すると、113件が表示され、戦争をテーマにした論文を執筆したい場合には、その本をもう一度読めばいいことになります。また、特定の本に対してつけられた複数のノート/メモも探し出すことができます。
カードによる串刺し検索も可能で、このあたりは紙のカードを使う旧来の「カード文献システム」はとうていおよばないところでしょう。川村先生の文献検索システムには独自の工夫があります。「ちょっと乱暴な作り方をしているんですよ」と川村先生。「あらゆるレベルの書誌データを放り込んでいるんです。本の中の論文も、本自体も、本を通したバインダーも通し番号をふって、データに入力しているんです」
この箱の中に何が入っているのかは、箱自体には書かれていない。そのデータはファイルメーカーProの中にあるのだ
書籍や箱には、バーコードフォントを使って、ラベルプリンタで出力したバーコードが貼られており、データは単なるバーチャルなものではなく、物理的な置き場所まで管理されているのです。バーコードスキャナも接続されており、所在管理を含んだ管理体制は完璧といっていいでしょう。
iPodをはさんで左側が、輸入で取り寄せたというラベルプリンタDYMO、右側には、バーコードリーダーが並んでいる
[松尾公也, ITmedia]
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