新電力との契約を7割に拡大、兵庫県が年間1億2200万円を削減:スマートシティ
兵庫県は県内239カ所の施設で使用する電力の契約を、2014年4月から一斉に新電力へ切り替える。関西電力と契約を続けた場合に比べて年間に1億2200万円の電気料金を削減できる見込みだ。対象施設をグループにまとめて1件の契約規模を大きくしたほか、契約年数を複数年から単年度に改めた。
自治体による脱・電力会社の動きが全国に広がってきた。兵庫県は334カ所ある施設のうち、約7割にあたる239カ所の電力供給契約を関西電力から新電力へ切り替えることを決定した。2014年4月1日からの1年契約で、総額は22億5600万円である。従来のまま関西電力と契約を続けた場合の電気料金は23億7800万円になり、年間に1億2200万円の削減効果が期待できる。
兵庫県は2014年度の電気料金を抑制するために、電力調達の入札方式を施設単位からグループ単位に変更して契約の規模を大きくした。入札対象の248施設のうち237施設を17グループにまとめ、規模の大きい11施設だけは単独で入札を実施した。
その結果、最低額を提示した新電力が239施設分を落札して、関西電力が落札できたのは9施設だけだった(図1)。これまで兵庫県が新電力と契約していた施設は16カ所で、全体の6%に過ぎなかったが、2014年度は一気に76%へ拡大する。今後も44カ所の施設で入札を予定している。
兵庫県は入札方式の変更に加えて、契約年数を複数年から単年度に改めた。「現在のエネルギー事情を考えると、各事業者の調達コストが今後どうなるか定かではないため、危険負担を軽減する」(井戸敏三知事)。次の2015年度の契約も入札を実施して、可能な限りのコスト低減を図る方針だ。
関西電力は2013年5月に電気料金を大幅に値上げした。企業や自治体などが利用する「高圧」では、使用量に応じて徴収する電力量料金の単価を約2割も引き上げた。このため関西電力との契約更新時に、料金の安い新電力へ切り替える企業や自治体が増えている。
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