ChatGPTが答えられない「David Mayer」とは一体誰? 陰謀かプライバシー保護か 人名巡るAIの問題(2/2 ページ)
David Mayerに答えられない理由は?
David Mayer問題についてOpenAIは、システムの不具合が原因だったとGuardianに説明している。「ツールの1つが誤ってこの名前にフラグを立て、回答を表示をできなくしてしまった」といい、この問題は修正すると表明した。
そうした問題の背景として、OpenAIは欧州のプライバシーポリシーで、ユーザーが自分の個人情報の削除を要求できる「忘れられる権利」を明記しているとGuardianは指摘する。
実際、TechCrunchの取材に対してOpenAIは、プライバシーツールによってデビッド・メイヤーの名にフラグが付いていたことを確認。「ChatGPTはプライバシー保護のため、人物に関して特定の情報を提供しない」と説明しているという。
ChatGPTをクラッシュさせる人名は他にも
ChatGPTが回答を拒む人名はデビッド・メイヤーだけではなかった。「Jonathan Zittrain」「Jonathan Turley」「David Faber」「Guido Scorza」などの人名も、ChatGPTをクラッシュさせると報じられている。いずれもジャーナリストやプライバシー問題の専門家で、自分に関する情報の削除や制限を要求している可能性もある。
事の始まりは「Brian Hood」(ブライアン・フード)だったらしい。ブライアン・フード氏はオーストラリア人の市長で、自分が贈収賄で投獄されたという虚偽の主張をChatGPTに生成されたとして、名誉毀損(きそん)でOpenAIを提訴すると通告した人物。実際には同氏は企業不正の告発者だった。
米メディアArs Technicaによると、フード氏の問題は23年4月、OpenAIが虚偽の主張を封じるためにフィルタリングの措置を講じることで決着した。ChatGPTを巡っては以前から、特定の人物について十分な情報がない場合、誤った情報を返答をする傾向があると指摘されており、そうした苦情を受けてフィルタリングを導入したと思われる。
David Mayer問題は不具合として解消されたものの、Brian HoodやJonathan Zittrainなどの人名については「I'm unable to produce a response」と言ってChatGPTが終了してしまう状況が今も続いている。
最新AIモデル「o1 pro mode」に聞いてみると……
なお、OpenAIが発表した最新AIモデル「o1 pro mode」にて、「David Mayerって誰?」と聞いたところ、エラーなどは発生せず「複数の人物に当てはまる可能性のある一般的な英語名です」などと返答があった(12月6日時点)。
一方、「Jonathan Zittrain」「Jonathan Turley」「David Faber」「Guido Scorza」などについても聞いてみたところ、「リクエストは利用規定に違反している可能性があると判断されました。別のプロンプトでもう一度お試しください」と返答があり、いずれも回答を得られなかった。
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