Innovative Tech(AI+)
“ピクサーの動く卓上ライト”を再現した実機、Appleが開発 人間のような「非人間型ロボット」
Innovative Tech(AI+):
このコーナーでは、2014年から先端テクノロジーの研究を論文単位で記事にしているWebメディア「Seamless」(シームレス)を主宰する山下裕毅氏が執筆。新規性の高いAI分野の科学論文を山下氏がピックアップし、解説する。
X: @shiropen2
米Appleに所属する研究者らが発表した論文「ELEGNT: Expressive and Functional Movement Design for Non-anthropomorphic Robot」は、人型でないロボットが人間と自然に関わるために、単なる機能的な動きだけでなく、感情や意図を表現する動きをどのように設計すべきかを探求した研究報告である。
研究チームは、日常生活で使うランプの形をしたロボットを開発し、その動きの設計フレームワーク「ELEGNT」を提案した。ちなみに、1986年にピクサー・アニメーション・スタジオが製作した短編CG映画「ルクソーJr.」に登場してくる電気スタンドのキャラクターからインスピレーションを得ている。オープニングロゴでおなじみだ。
研究チームは、日常生活でなじみのあるランプの形をしたロボットを開発。このロボットは6自由度のアームと、光を照射できるヘッド部分、プロジェクター機能と内蔵カメラを備えている。
ELEGNTでは、ロボットの動きを「機能的効用」と「表現的効用」という2つの要素で設計する。機能的効用とは、目的の場所への移動や光の照射といった実用的な動作を指す。一方、表現的効用は何かに興味を示すようにヘッドを傾けたり、同意を示すようにうなずいたりするなど、ロボットの意図や注意、態度、感情を伝えるための動作を意味する。
研究チームは6つの異なるシナリオでテストを実施。写真撮影用のライティング、プロジェクションによる作業支援、エラー表示、水分補給の促し、社会的な会話、音楽の再生という場面で、機能的な動きのみのパターンと、表現的な動きを加えたパターンを比較した。21人の参加者による評価実験の結果、表現的な動きを加えることでロボットに対する印象が大きく改善できることが判明した。
結果は、表現的な動きを加えることで、ロボットに対する印象が大きく改善されることを示した。特に音楽を一緒に楽しんだり会話をしたりする社会的な場面で、その効果が顕著に。ロボットの性格の知覚や人間らしさ、エンゲージメント、つながりの感覚といった指標で特に大きな改善が見られた。一部の参加者は、表現的な動きのあるロボットをペットや子供のような生き生きとした存在として認識した。
Source and Image Credits: Hu, Yuhan, et al. “ELEGNT: Expressive and Functional Movement Design for Non-anthropomorphic Robot.” arXiv preprint arXiv:2501.12493(2025).
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Innovative Tech(AI+)
2019年の開始以来、多様な最新論文を取り上げている連載「Innovative Tech」。ここではその“AI編”として、人工知能に特化し、世界中の興味深い論文を独自視点で厳選、解説する。執筆は研究論文メディア「Seamless」(シームレス)を主宰し、日課として数多くの論文に目を通す山下氏が担当。イラストや漫画は、同メディア所属のアーティスト・おね氏が手掛けている。
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