四足歩行ロボ、バドミントンをプレイ 胴から伸びるアームで“華麗にショット” 人間とラリーも スイス
スイス連邦工科大学チューリッヒ校の研究チームは5月29日、バドミントンをプレイする四足歩行ロボットの動画を公開した。胴体部から上に伸びる1本のアームの先端にラケットを装着。人間とラリーを続ける姿を披露している。
人間が打ったシャトルの落下地点に、4本の脚で細かくステップを踏んで先回り。胴体を傾け、落ちてくるシャトルに対して打ち返す体制を取る。アームの関節を駆使し、斜め下の角度からラケットを振り抜くことで、人間のいる場所にシャトルを打ち返している。
ロボットは、スイスANYbotics社製の四足歩行ロボット「ANYmal-D」に、アームを取り付けたもの。2つのカメラで立体形状や距離を記録できる「ステレオカメラ」も搭載した。これに空気力学に基づく演算を組み合わせ、シャトルの軌道を予測できるようにした。外部の視覚システムなどを使わず、ロボットに搭載した機構だけで処理しているという。
制御には、ロボットの視覚的なシャトルの捕捉機能と、全身の関節などの動きを統合的に制御できる仕組みを採用した。「N-P3O」という強化学習の手法に基づくもので、コート内の移動やスイングの方法などを訓練。適切な動きができるよう調整した。
人間とバドミントンのラリーをして検証した結果、人間がシャトルを打ってから平均0.357秒でシャトルの軌道を認識。これにより、ロボットがシャトルを打てる位置にシャトルが来るまで平均0.654秒の余裕を残したのち、シャトルを打ち返す位置を演算してから0.367秒でシャトルを打ち返した。風のある屋外の環境下でも、人間とのラリーで10回連続でロボットがシャトルをショットできたとのこと。
一方、スイングの速度については、アマチュアのバドミントン選手のスイング速度が秒速20~30mなのに対し、ロボットは最大秒速12.06mだった。またステレオカメラの視野が原因で、真上や真後ろから近づくシャトルに対しては、ショットの成功率が下がった。より広い視野角を持つカメラに切り替えることで、ショットの成功率を改善できる可能性があるという。
研究チームは、ロボットの視覚と全身の動きを統合的に制御する手法について「バドミントン以外にも正確なセンシングと、素早い全身の反応の両方が重要になる他の動的なタスクにおいて、脚のあるマニピュレーターを展開するためのテンプレートを提供する」としている。
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