マウスの「痛み」をAIで数値化 “痛い顔”を学習 東大が新技術
東京大学の研究グループは、AI技術を応用し、マウスの顔の表情から痛みを自動で判定する新たな解析手法を開発した。目視での判断より主観や経験による差が出づらく、再現性の高い痛み評価法を実現できるため、動物実験の効率化と倫理性向上につながるとしている。
研究チームは、腹腔内に酢酸を注射したマウス(痛み状態)と、処置前のマウス(非痛み状態)の顔画像を合計約54万枚学習させ、AIが「痛み」と「非痛み」を識別する特徴を自ら抽出するAIモデルを設計した。
訓練したAIモデルは、訓練に使わなかったデータでも高い精度で痛みの変化を予測できた。また、カプサイシンなど酢酸とは異なる刺激に生じる疼痛も正確に識別。異なる種類の痛みでも共通する表情を学習していることが分かった。
マウスに鎮痛薬を投与した際の痛みの軽減も、AIモデルが自動的検出して数値化。このことからAIは、顔のわずかな変化から薬の効果までも読み取れることが示された。
AIが痛み判定時に注目している顔の領域を解析したところ、「痛みなし」状態では耳や頬、口に、「痛みあり」状態では額や頭部に焦点を当てていることが判明。従来の人間の観察よりも広範な表情変化を利用していることも分かった。
同技術は、痛みの評価を人間の主観からAIによる客観的データ分析へと転換するものであり、動物実験の研究効率化と倫理性向上につながるとしている。
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