AI音声「にじボイス」、“権利侵害はない”のにサービス終了へ 日俳連から「声優に酷似」と指摘受け
DMMグループでAI関連サービスを開発するAlgomatic(東京都港区)は11月21日、AI音声サービス「にじボイス」のサービスを2026年2月4日に終了すると発表した。にじボイスを巡っては、俳優や声優の権利保護活動などを行う日本俳優連合(日俳連)が、2度にわたり「組合員の声に酷似している」として、ボイスの削除を要請していた。
日俳連は7日、にじボイスに対して、一部音声が組合員の声に酷似しているとして33件分の削除を要請。これを受け、Algomaticは「法的な権利侵害は確認されなかった」とする一方、「声の権利を尊重するプラットフォームとして、関係者に懸念を生じさせること自体が本意ではない」として、自主的に音声を取り下げたとしていた。しかし日俳連は19日にも、にじボイスに対して追加で20件分の削除要請を出していた。
2度目の削除要請についてAlgomaticは、「こちらについても法的な権利侵害はなかった」と説明。しかし度重なる削除要請を受け、AIと人がぶつかり合うのは本意ではないとして、サービス終了を決めたとしている。
「にじボイスは声の権利を守るためのプラットフォームとして立ち上げた。『声が似ている』と本人などが不安に思っているのに、それは、主観であるという主張をすることが、生身の人間に対してどう感じられるのか、という問いを何度も考え続けた。私達は、AIと人とが、ぶつかりあうのではなく、より良い世界をつくるために、会社を経営している。その信念を考えあわせた時に、サービス全体の終了をすることを決定した」(Algomatic)
Algomaticは「法的な権利侵害がないのにやめることについては、会員やにじボイスを応援してくれている人たちから批判を受けることは十分に承知している」と続ける。迷惑を掛けることについては全ての責任はAlgomatic側にあるため、日俳連への誹謗中傷は控えるよう訴えている。
ITmedia AI+では、Algomaticに対して、計53件の音声が酷似していると指摘を受けた理由を聞いた。同社は以下のように説明している。
『にじボイス』は、AIによる音声生成技術を用いて、多様なキャラクターの声を設計しています。
各キャラクターのボイスは、さまざまな音声パラメータ(声質・高さ・抑揚・スピード・表情など)を組み合わせて生成した音声をもとに、社内で最終的な設定を行いキャラクターとして設定しています。
このとき使用する音声パラメーターは、あくまで一般的な音響特性の範囲で調整を行っており、特定の実演家の方の声を模倣・再現することを目的として設定しているものではありません。
しかしながら、人の声が持つ音域や表現の幅には共通性があるため、技術的な生成過程で結果的に特定の声質や話し方に近い印象を与えるケースが生じることはあり得ます。
このような類似は、AI音声生成という技術特性に由来する自然な現象であり、意図的に特定の方の声を再現したものではありません。
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