表彰式当日に生成AIの利用発覚→賞を剥奪──人気インディーゲーム「Expedition 33」巡り海外アワードで騒動
インディーゲームアワード「Indie Game Award」を運営する米Six One Indieが12月22日までに、人気ゲーム「Clair Obscur: Expedition 33」(クレールオブスキュール:エクスペディション33)に与えた賞を剥奪した。18日(現地時間)の表彰式で最優秀賞など2つの賞を贈ったものの、規定で禁止している生成AIの利用が同日に発覚。賞を撤回したという。
Clair Obscur: Expedition 33はフランスのゲームスタジオSandfall Interactiveが手掛けるRPG。同スタジオのデビュー作でもあり、スタッフ30人未満という少規模な開発体制ながら大作ゲームに伯仲する演出やプレイフィールが話題になり、累計販売本数は10月時点で500万本を突破。「Golden Joystick Awards 2025」「The Game Awards 2025」などのゲームアワードでも「DEATH STRANDING 2: ON THE BEACH」「ドンキーコング バナンザ」といったゲームを押しのけ、最優秀賞に当たる「GOTY」(Game Of The Year)などを受賞している。
Indie Game AwardではGOTYに加え、各ゲームスタジオのデビュー作のうち優秀なものを表彰する「Debut Game」を受賞。Sandfall Interactiveは18日配信のオンライン表彰式にも参加し、受賞に伴うスピーチも行った。しかしSix One Indieによれば、Sandfall Interactiveは審査時点で生成AIを利用していないと申告していたにもかかわらず、表彰式当日には一転、アートにおける生成AIの利用を認めたという。
Six One Indieは「問題はすでに修正済みで、ゲーム自体は素晴らしい」としつつ、Indie Game Awardの規定に違反するとして賞を取り消し。それぞれの受賞作はClair Obscur: Expedition 33に次いで評価の高かったタイトルに変更した。これに伴い受賞スピーチも再収録するといい、2026年初頭に公開する予定だ。なお22日時点で、GOTYの発表やSandfall InteractiveによるスピーチはYouTube配信のアーカイブから削除されている。
Sandfall Interactiveは7月時点で、開発時点で生成AIを短期間試用していたことを海外メディアの取材を通して明らかにしていた。試験的に生成したアセットがリリース後のバージョンに残っていたことも認めていたが、同月時点で差し替え済みで、ゲーム内に生成AI製のアセットは存在しないとしていた。
今回の剥奪は国内外のゲームメディアも報じており、創作におけるAI活用を巡る話題の1つにもなっている。Xやゲーマー向けのフォーラムでは、今回の判断は順当とし、生成AIそのものの批判につなげる声もある一方、あくまで焦点はアワードの規定違反とする意見も見られる。
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