Anthropic、Claudeのサードパーティツール利用を再開へ 「Agent SDKクレジット」を新設
米Anthropicは5月13日(現地時間)、「Claude」の有料プランの価格設定を変更し、すべての有料プランユーザー向けに「Claude Agent SDKクレジット」という新たなサブカテゴリを導入すると発表した。
同社は4月初旬、システムのキャパシティとサービスへの悪影響を理由に、Claudeのサブスクリプションを利用して「OpenClaw」や「Conductor」などのサードパーティ製アプリを「Claude Agent SDK」経由で稼働させることを全面的に禁止した。同社は禁止の理由を、一部のユーザーがプロンプトキャッシュに最適化されていないサードパーティ製ツールを使うことで、月額料金を大幅に上回る数百~数千ドル相当のコンピューティングリソースを消費してしまうという、持続不可能な技術的・財政的課題が存在していたためと説明していた。
新カテゴリは、この問題を解決するための仕組みだ。非効率なプログラムによる利用コストを無制限のサブスクリプション枠から切り離し、ユーザーごとに専用の固定予算として割り当てることで、システム全体を安定させつつサードパーティ製ツールの利用を解禁する。
6月15日から適用されるこの新システムでは、初回のみクレジットを申請する手続きが必要で、以降は毎月の請求サイクルに合わせて自動的に付与される。有効化すると、Claude Agent SDK経由の利用、Claude Codeの非対話型モードであるclaude -pコマンド、Claude CodeのGitHub Actions連携、OpenClawなどのサードパーティ製アプリの利用分が自動的にこのクレジットから消費されるようになる。クレジットの金額構成はプランごとに異なる(以下の表を参照のこと)。なお、Enterpriseプランについては、使用量ベースのプランは月額20ドル、シートベースのPremiumシートは月額200ドルが付与されるが、シートベースのStandardシートのメンバーはクレジットの対象外となる。
ただし、この新システムによっていくつかの制約も発生する。Claude Agent SDKクレジットは毎月の請求サイクルに合わせてリセットされるが、使い切らなかったクレジットは翌月に繰り越されず、そのまま消滅する。さらに、月額クレジットを使い切った場合、定額サブスクリプションの利用枠を流用することはできず、追加利用分は従量課金制の標準API料金として請求される。追加利用のオプションを有効にしていない場合は、クレジットがリセットされるまでプログラムによる利用は自動的に停止する。なお、WebブラウザやアプリでのClaude対話利用、ターミナルやIDEでのClaude Codeの対話型利用には影響せず、従来通りサブスクリプションの利用枠が適用される。
ユーザーにとって最大のメリットは、4月発表の全面ブロック状態が解除され、APIキーを別途契約することなく、既存のサブスクリプション内で再びOpenClawなどのエージェントツールを利用できるようになることだ。一方デメリットとして、これまで定額サブスクリプションで事実上大量のAPI利用をまかなえていた状況が終わり、厳しい上限が設けられたことが挙げられる。大量の自動化タスクを回していたユーザーにとっては実質的な利用枠の大幅削減となり、開発者コミュニティからはサブスクリプションの価値が低下したという不満の声も上がっている。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
関連記事
こんなメディアも見られています
ITmedia AI+に関連する情報をお探しであれば、こちらのメディアもお役に立てるかもしれません。
SpecialPR
よく見られているカテゴリー
アクセスランキング
-
1
「ポンコツ」と呼ばれたM365 Copilotの逆転劇、GPT-5が転換点 活用の秘訣は“脱・プロンプト職人”
-
2
人間 vs. 人型ロボ、より多く作業をこなせるのは? 生配信で対決した結果…… 米企業
-
3
「AIデータセンターの電力需要が急増」はホント? 発電大手Jパワー社長が明かした“報道との温度差”
-
4
キオクシア社長「記録的な増収増益」 3カ月の売上収益1兆円、純利益は2990%増 好決算の背景は
-
5
伊藤忠商事や三菱ケミカルなど16社が参画 大手企業の「暗黙知」を活用する新プロジェクト
-
6
NEC社長が説く AI時代と新たな安全保障環境の到来で「ITサービスはこう変わる」
-
7
「邪魔すぎ」――LINE入力欄の“新AI機能”が不評 消し方は?
-
8
生成AIで3Dモデルを自動作成 専門スキル不要でテキストや画像から3D化
-
9
OpenAI、「ChatGPT」に個人向け資産管理機能 金融口座と連携
-
10
Python 3.15に追加されるlazy importと内包表記でのアンパッキングについて調べてみた
SpecialPR
ITmedia AI+ SNS
インフォメーション
注目情報をチェック
ITmedia AI+をフォロー
あなたにおすすめの記事PR