AI研究は善意と利益の板挟み――Anthropic創業者、教皇の前で業界の現状を内省

 AI研究は正しい行いと商業的、地政学的圧力の板挟みにある――米Anthropic共同創業者のクリス・オラー氏は5月25日(現地時間)、ローマ教皇レオ14世の回勅(教皇が世界や信徒に向けて発布する公文書)発表の場での講演でそのように述べ、AI研究を正しい方向に導くには外部からの倫理的視点と批判が不可欠だと訴えた。

Anthropic共同創業者のクリス・オラー氏(出典:回勅発表の配信映像)

 オラー氏はこの講演で、AIに関して「教会の声が最も必要」だとする3つの問いを示した。

  • AIが人間の労働を大規模に代替した場合、AI開発が集中する富裕国だけでなく世界全体に利益を分配するにはどうすればよいのか
  • AIが普及した社会で人や家族、世界が繁栄するとはどういうことなのか
  • AIモデルの内部には神経科学に似た構造や、人間の感情に類似する内部状態が見つかっており、これらが何を意味しているのか

 教皇は回勅で、AIを「間違いなく生活を楽にする」技術だとした一方で、個人の創造性や判断力を弱める可能性もあると指摘。

 また、AIの「武装解除」(軍事的、経済的、認知的競争からの解放)を唱え、AIを「人間にとって親しみやすいもの」にすることが重要だと強調した。

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