アダルトビデオの作成や販売を手掛けるギガ(東京都港区)は9月15日、同社のコンテンツを許可なくAIで加工しないよう注意喚起した。「著作権法をはじめとする各種権利の侵害にあたる」と指摘している。
同社は「公式サイトや映像作品に関する画像・動画を、AIツールなどで無断生成・加工する事例がSNSなどで確認されている」と説明。コンテンツの著作権はギガに帰属しており、「許諾なく、これらの制作物を使用・改変・AIツールなどへアップロードする行為は禁止」とした。また「権利侵害が確認された場合には、法的手段を含む厳正な対応を取る」と警告している。
アダルトビデオ事業者とAIを巡っては、アダルトビデオ女優のマネジメントなどを手掛けるBstar(東京都渋谷区)が11日、所属タレントの写真を利用し、生成AIで画像や動画を作らないよう注意喚起。理由は「本人の肖像権や著作権などの権利を侵害する可能性があるため」としていた。
生成AIによる画像の加工は、4月頃に「ChatGPT」の画像生成機能でジブリ風に変換した画像がSNSで流行した。その後、8月末頃から、米Googleの画像生成AIモデル「Gemini 2.5 Flash Image」(通称:nano-banana)の発表もきっかけとなり、画像のフィギュア風の加工が注目を集めている。
一方、X上では、他人の制作物をAIで加工した画像などが見られたことから「著作権的に問題があるのでは」といった指摘も出ていた。
経済産業省は、コンテンツ産業で生成AIを利用する際の注意点などをまとめた「コンテンツ制作のための生成AI利活用ガイドブック」(2024年7月公開)の中で、AIと著作権について「従来の判例・裁判例では、(1)類似性(既存の著作物と類似しているか)と(2)依拠性(既存の著作物に依拠しているか)の両者が認められる場合に、著作権侵害になるとされている。AI生成物の類似性や依拠性の判断も、従来の判断方法と基本的に同様」との見解を示している。
また同ガイドブックの中では、生成AIサービスを利用する際には、利用規約で定められた制限などを確認する必要があるとしている。一方、ChatGPTや、GoogleのチャットAI「Gemini」のアプリでは、ユーザー自身が権利を持つコンテンツだけを同サービスに入力するよう、利用規約などで定めている。
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