イラストの手書き証明が不可能に? “絵の制作過程”動画を生成するAI 米スタンフォード大の研究者が発表
米スタンフォード大学の研究者は、イラストの制作フロー動画を生成するAI「PaintsUndo」を発表した。すでに完成したイラストを入力することで、下書きの状態から着彩され、イラストが完成するまでの流れのディープフェイクを自動生成する。
米スタンフォード大学の研究者が7月9日までに、イラストの制作フロー動画を生成するAI「PaintsUndo」を発表した。完成したイラストを入力することで、下書きから着彩、イラストが完成するまでの流れのディープフェイクを自動生成。動画としてその模様を出力できる。
PaintsUndoの使用例をまとめたWebページを公開中。アニメキャラクターを模したAIイラストと、それらが作成される過程をタイムラプスでまとめたような動画を複数確認できる。中には写真や実写のような画像の作例もあるが、こちらは失敗例として紹介している。
PaintsUndoを作成したのは米スタンフォード大学に在籍する研究者のルーミン・チャンさんで、GitHub上でこのプログラムも公開している。チャンさんは「lllyasviel」のハンドルネームで活動しており、自由なポーズをとったキャラクターのAIイラストを生成できる技術「ControlNet」の開発者としても知られている。
チャンさんは「このプロジェクトは、人間の描画行動の基本モデルを開発することを目的としている」と説明。「これにより、将来のAIが人間のアーティストの真のニーズにより良く応えることが可能になる」と続けている。
「ユーザーは、このツールを使用して自由にコンテンツを作成できるが、現地の法律を順守し、責任を持って使用することが求められる。ユーザーは、このツールを使用して虚偽の情報を生成したり、対立をあおったりしてはならない。開発者は、ユーザーによる誤用について一切の責任を負わない」(チャンさん)
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
関連記事
AIイラスト生成技術にまた衝撃 キャラのポーズが自由自在の「ControlNet」登場
AIでのイラスト生成時、キャラクターに自由なポーズを取らせることができる──そんな新技術が話題に。Twitterユーザーの間で「革新的な変化」と話題になっている。
「スレイヤーズ」のあらいずみさん、“AI疑惑”を掛けられイラストのレイヤー構成を公開 「ちゃんと描いてるんよー」
「同人誌の表紙、ちゃんと描いてるんよー」──小説「スレイヤーズ」などのイラストレーターで知られる、あらいずみるいさん、自身が出した同人誌の表紙のレイヤー構成を動画で公開した。その背景にあったのは、生成AIを利用しているのではと指摘する声だ。
「ペン入れAI」登場 ラフ画を自動でキレイな線に変換 無料利用も可能
AIイラストメーカー「mimic」などを開発するラディウス・ファイブは、イラスト制作支援AIサービス「copainter」に新機能「ペン入れAI」を実装した。
AIが生成する画像を「ネコ」にするサイバー攻撃 絵師らを守る技術「Nightshade」 米シカゴ大が開発
米シカゴ大学に所属する研究者らは、生成AIモデルの無断学習を抑止するために、学習されても予期せぬ動作をAIモデルに生成させる毒入りデータに画像を変換するツールを提案した研究報告を発表した。
「この絵、生成AI使ってますよね?」──“生成AIキャンセルカルチャー”は現代の魔女狩りなのか 企業が採るべき対策を考える
人気アニメシリーズ「プリキュア」の公式イラストを巡り、一部のユーザーから「生成AIを使って作成したのではないか」との声が上がる騒動が起きた。生成AIの利用自体に向けられる激しい嫌悪感「生成AIキャンセルカルチャー」について考察する。






