画風を学んでAIイラスト生成「mimic」終了へ 公開時に炎上→審査制で運営も、約2年半で幕
描き手の画風を反映したイラストを自動作成できる、国産のAIイラストメーカー「mimic」のサービスが約2年半で終了する。
AI関連サービスを開発・提供するラディウス・ファイブ(新宿区)は4月15日、描き手の画風を反映したイラストを自動作成できるAIイラストメーカー「mimic」のサービスを、6月30日に終了すると発表した。
2022年11月の公開当初は、「不正利用対策が不十分」などと批判を受けて炎上。クリエイターの本人確認を行うなど不正対策を行った上で運営してきたが、約2年半での終了となる。
mimicは、自分で描いたイラストを15枚程度アップロードすると、同じ画風のイラストをAIで生成できるサービス。
月30枚まで顔イラストをダウンロードできるフリープランと、月980円で500枚まで顔イラストをダウンロードでき、AIにテキストで指示できる「アシスタント作成機能」も利用できる「基本プラン」がある。
サービス停止に先立ち、5月16日にフリープランのイラストメーカー作成機能を停止。6月16日に基本プランのイラストメーカー作成機能と、アシスタント作成機能を停止する。
mimicが公開されたイラスト生成AI黎明期は、AIイラスト生成技術への反発が今以上に強く、「描き手以外のユーザーが無断で画像を学習させ、生成された画像を使って贋作を作るリスクがある」と批判されて炎上した。
これを受けて同社はサービスを一時休止。利用希望者のXアカウントを審査し、「自分でイラストを描いている」と判断したもののみ許諾するよう変更。学習に使ったイラストは、大きな透かし入りで自動公開する、といった対策を採って運営を再開していた。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
関連記事
国産AIはなぜ炎上する? 「mimic」開発元に反省点を聞いた 海外産AIは平常運転、待つのは“日本1人負け”か
2022年、画像生成AIが大きな注目を集めた。「Midjourney」など海外産AIの多くは受け入れられた一方、「mimic」や「クリスタ」では炎上し、停止に追い込まれる事態が続いた。なぜこのような事態になってしまったのか? 画像生成AIと2022年を振り返る。
ネットにあふれたAI製「ジブリ風画像」――最近の事例から考える「AIに学習されない自由」
3月26日に行われたOpenAIのGPT-4oのアップデートでは、画像生成機能が大幅に改善され、多くのユーザーがこの機能のために殺到した。3月31日には、無料ユーザーにもこの機能が開放され、SNSでは多くのスタジオジブリ風自画像があふれた。AIと著作権の関係は今どうなっているのか、最新の事情を組み入れながら、整理しておこう。
「ジブリ風画像」で物議 ChatGPTの画像生成機能、無料ユーザーにも開放
米OpenAIのサム・アルトマンCEOは3月31日(現地時間)、「ChatGPT」の新たな画像生成機能を無料ユーザー向けに開放したとX上で発表した。26日にリリースしたものの、アクセスの集中を受けて無料ユーザーへの提供を延期していた。
イラストレーターの個性を学んで絵を“無限生成”するAIサービス 15枚のイラストから学習
クリエイティブ関連のAIサービスを手掛けるラディウス・ファイブが、AIイラストメーカー「mimic」(ミミック)β版の提供を開始した。同じイラストレーターが描いた15枚程度のイラストをもとに、絵の個性を反映したイラストを無限に生成できるとうたう。



