Google、マルチエージェントAI「Deep Think」提供開始 「AI Ultra」プランで

Googleは、高度な問題解決AI「Deep Think」の提供を開始した。「Gemini 2.5 Pro」のマルチエージェント機能で、並列思考により複雑な問題の最適解を導く。国際数学オリンピックで金メダル級の性能を示したモデルの派生版で、「Google AI Ultra」プラン限定で提供される。

[ITmedia]

　米Googleは8月1日（現地時間）、Google I/Oで発表した「Gemini 2.5 Pro」のマルチエージェント機能「Deep Think」の提供を開始したと発表した。特に高度な問題解決能力を持つAIツールとして設計されており、「Google AI Ultra」プランのユーザーにのみ提供する。

　Deep Thinkは、Geminiの「思考時間」を延長し、より複雑な問題を深く掘り下げて解決することを可能にするというもの。人間が問題を多角的に検討し、解決策を練り上げるように、並列思考技術を用いることで、同時に多くのアイデアを生成し、それらを組み合わせて最適な答えを導き出す。

　これにより、例えばWeb開発で複雑なものを段階的に構築する際に、デザインと機能性の両面で改善を提案したり、研究者が数学的な仮説を立てたり、専門的な科学文献を分析したりするのを支援し、発見プロセスを加速する可能性があるとしている。

並列思考テクニックを使用して、より詳細で創造的かつ思慮深い応答を提供する（画像：Google）

　Deep Thinkは今年の国際数学オリンピック（IMO）で金メダル水準を達成したモデルのバリエーションで、Google I/Oで発表した段階から大幅に改良されているという。

　Google AI Ultraの加入者は、Geminiアプリで「Deep Think」のトグルをオンにすることで、この機能を利用できるようになる。Deep Thinkは、コード実行やGoogle検索などの既存ツールと自動的に連携し、より詳細で長い応答を生成する能力も持っている。将来的には、APIを通じて開発者や企業向けのユースケースのために、一部のテスターにも提供する予定だ。