ANA、生成AIで一部業務時間を90%削減へ 東大松尾研発のスタートアップと協力
ANAは、AIスタートアップのneoAIが手掛けるAIサービス「neoAI Chat」を、航空機オペレーション部門に導入したと発表した。一部業務では約90%の時間削減を見込む。
ANA(全日本空輸)は10月16日、AIスタートアップのneoAI(東京都千代田区)が手掛けるAIサービス「neoAI Chat」を、航空機オペレーション部門に導入したと発表した。neoAI Chatでは、AIが社内文書をもとに従業員の質問に答える。10月から本格展開しており、一部業務では約90%の時間削減を見込む。
neoAI Chatは、生成AIと外部データの検索を組み合わせる「RAG」を利用したサービス。今回の導入では、ANAの社内文書から、従業員がチャット形式で必要な情報を引き出せるようにした。ANAの自社クラウド上で運用しており、情報の機密性も確保した。
neoAI Chatの活用により、利用客の問い合わせ対応における情報検索の時間を従来比で約90%短縮、報告書など定型的な文書作成では、作業時間を約75%削減できる見込みだ。また、ナレッジ共有による組織力の強化なども目指す。
neoAIは、AI研究で知られる東京大学の松尾研究室発のスタートアップで、2022年に設立。neoAI Chatのほか、AIに関するシステム開発や、独自の日本語LLMの研究なども手掛けている。
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