NVIDIAやベゾス氏らが支援する“人間中心のフロンティアAIラボ”Humans&が始動
OpenAIやGoogle、XAIなどの元研究者らが設立した新興AI企業「Humans&」が、シードラウンドで4億8000万ドルを調達した。NVIDIAやジェフ・ベゾス氏らが支援し、評価額は約6500億円。従来の「答えるだけのAI」を超え、記憶や相互理解を通じて人間の協調を支える「人間中心のAI」の実現を目指す。
複数の米AI大手の元研究者らが昨年秋に創業した米新興AI企業Humans&は1月20日(現地時間)、「人間中心のフロンティアAIラボ」としてスタートし、米NVIDIA、米Amazon創業者のジェフ・ベゾス氏、Googleの投資部門Google Ventures、ローレン・パウエル・ジョブズ氏が運営する慈善団体Emerson Collectiveなどから資金を調達したと発表した。米The New York Timesによると、調達額は4億8000万ドル(約700億円)で、評価額は44億8000万ドルという。
創業メンバーは、xAIでGrokの開発に携わった研究者のエリック・ゼリクマン氏(CEO)、Anthropicの元テクニカルスタッフのアンディ・ペン氏、Googleの7番目の従業員でGmailのリリースやAndroidの買収に従事したジョルジュ・ハリク氏などで、現在の従業員数は約20人。OpenAIやMeta、スタンフォード大学、MITの出身者も参加している。
ゼリクマン氏はThe New York Timesに対し、チャットボットは質問に答えるために設計されているものの、人間に適切な問いを投げかける能力が欠けていると語った。現状のAIは、人々が何を望んでいるかを理解するための努力が不十分だと説明。「AIには、人々がより多くのことを一緒にできるようになる大きな可能性がある」が、「現在のような質問と回答だけでは、そこにたどり着けない」という。
Humans&は、単なるタスクの自動化ツールではなく、長期的な記憶、マルチエージェントシステム、高度なユーザー理解を通じて、人間同士の信頼と協力を深める強固な連結組織としてのAI構築を目指す。現在は強化学習の革新や新たなモデル訓練手法の開発を進めており、科学的研究の成果を即座に製品開発へと結びつけることで、高度な知能を持つ機械と共に生きる「人類の役割」を再定義することが目的という。
Humans&は、開発成果をオープンソースや学術研究コミュニティへ積極的に還元する方針も示している。同社は現在、この「人間中心のAI」という新たなパラダイムを共に形作るエンジニアや研究者を広く募集している。
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