Netbookへの刺客? “超薄ノートPC”をMicrosoftがプッシュ
フランケンシュタイン博士が塔の中で怪物を生み出したときのように、PCメーカーはおそらく、ミニノートPC――「Netbook」と呼ばれる安価なポータブルノートPC――がいいものになると考えていたのだろう。PC販売全体がどん底に達し、さらに下がっている中でさえ、Netbookの購入は、電子メールをチェックしたり、飼い猫がうるさい犬をやっつけるYouTubeの映像を見たいというニーズを持つ無数の人々に後押しされて、常に上向きのようだ。
だがNetbookはMicrosoftにとってはむしろ、フランケンシュタイン博士の怪物が逃げ出して近隣の村をうろつき始めたようなものだ。よくてもいら立たしく、最悪の場合には非常に危険だ。先のとがった棒で突いても追い払えない。
Microsoftは、Netbookの96%にWindowsが搭載されていると主張している。この数字は(熱心な読者がよく指摘してくれるように)Windows搭載Netbookを購入した後で同OSをアンインストールし、LinuxなどのオープンソースOSをインストールしているユーザーは考慮に入れていない。それはそれとして、Microsoftの問題は、今のところNetbookがWindows XPを走らせているということだ。ユーザーがWindows 7の省機能版にアップグレードする代わりにXPを使い続ける方を選んだら、Microsoftの売上高は減少するかもしれない。
たとえ消費者のNetbook購入トレンドが当面続いたとしても、省機能版Windows 7は、Windows 7 Home Premiumなどが搭載されたデスクトップPCと比べると利幅が薄い。Microsoftが売上高の下落を覆そうと必死に戦う中で、利益率の低下をもたらすものは何であれ大問題だ。
(Microsoft CEOの)バルマー氏はおそらく、Intelの営業・マーケティング責任者ショーン・マロニー氏の先日の発言に希望を持っているのだろう。マロニー氏は、Netbook市場は「成熟」しており、初めてPCを購入する人はハイエンドのデスクトップPCやノートPCの方に引きつけられるだろうと語った。だが、希望を持てば会社にお金が入ってくるわけではない。そこでバルマー氏は「ウルトラシン(超薄)」ノートPCをプッシュすることに力を入れている。ウルトラシンPCは、理論的には、Netbookの携帯性と、Netbookよりも大きなディスプレイと強力なプロセッサを組み合わせたもの。価格はNetbookよりも高めだ。
「顧客が『もっと大きな画面のNetbookが欲しい』と言ったら、われわれは『ウルトラシンをどうぞ』と言う」とバルマー氏は7月30日の年次金融アナリスト説明会で語った。「人々が軽快なパフォーマンスというアドバンテージを手に入れることができ、われわれにもっとお金を使えるようになることを望んでいる。
言い換えれば、村人が先のとがった棒をたいまつに交換する時が来たということだ。
おそらく、PCメーカーは年末商戦向けにさまざまな「ウルトラシン」PCを投入するだろう。価格は従来のNetbookよりも高いため、Microsoftの利益率の問題を解決してくれるかもしれない。MicrosoftはPCメーカーに、Windows 7のStarter以外のエディションを――そしてOfficeなどほかのMicrosoftアプリケーションも――ウルトラシンPCに搭載させるかもしれない。価格によっては、ウルトラシンノートPCは、Netbookが従来のPCから売り上げを奪ったのを補うような形で、Netbookの市場を食う可能性がある。それが理にかなえば、だが。
(ウルトラシンPCが大量に出てきたときに被害を受けるのはDellのAdamoだろう。Adamoはこれまで、高級モデルMacBook Airを唯一のライバルとしてきた)
Netbook問題――Microsoftは問題でないと言い張っているが――に対する同社の解決策は、PC業界全体をわずかに違う方向へと向けようとしているように見える。怪物の巣に火を付けるのは有効かもしれない――画面が大きく、しゃれたシステムに顧客が進んでお金を出してくれるのなら。最近のあれやこれやと同じように、景気が回復すれば結果が出るだろう。
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