PCカスタマイズとアナログノートBiz.ID Weekly Top10:

PCのカスタマイズに制限がある職場でも、ライフハックの余地はたくさん残されています。アナログノートの工夫が1つ。そして自分自身をカスタマイズしてしまう方法もあります。

» 2007年02月21日 12時56分 公開
[斎藤健二,ITmedia]

 先週のBiz.ID記事アクセスランキングには、アナログノート系の話題「ありそうでなかった「左右に余白」ノート」「ロディアの新作、ノートもお目見え」が2つランクイン。また「カスタマイズなしのPC利用法」も3位に入った。

実態に即したライフハック

 多くのユーザーが指摘するように、PCをカスタマイズしたりさまざまなWebサービスを活用して仕事の生産性を上げようという試みは、なかなか実行できない職場が増えている。曰く、「自由なソフトのインストールは禁止」「Webは決められたサイトの閲覧のみ可」「USBメモリの持ち込み禁止」などなど。たいていのセキュリティポリシーというものは、「○○はしてはいけない」と羅列してあり、生産性の向上を目指して個人個人が工夫する余地はしだいに少なくなってきている。

 実際には、PC周りをうまくカスタマイズすることで、セキュリティのアップにもつなげることができるはず。しかし、それは個人個人の工夫というよりも、全社的な取り組みにしていかないと、今度は管理の問題が発生してしまう。フリーランスや数人でSOHO的なビジネスをやっているなら調整もできるが、社員が何10人、何100人となってくるとコンセンサスをとっていくだけで大変だ。

 そんな中で、カスタマイズしないでPCを利用する方法というのは、裏を返せば、PCではなく自分自身をPCに合わせてカスタマイズするという手法でもある。理想的には道具を合わせていったほうがいいのだが、実は道具に合わせるほうが現実的な場合も多い。

 一昔前に日本でも流行ったPDA「Palm OS」がまさにそうだった。完璧な手書き入力を目指して、各社がプアなCPUでさまざまな挑戦を行う中、Palmは「Graffiti」という一筆書きの手書き文字を考案。ユーザーにこれに従って手書きするように求めた。いわば、ユーザーに道具に合わせることを求めたのだ。結果、Graffitiを覚えてしまえさえすれば、「Dragonball」というプアなCPUでも高速に手書き入力を処理でき、実用的なPDAが実現したというわけだ。

 PCをカスタマイズすることが難しければ、自分自身をPCに合わせて作業してみる。これもライフハック的試みの1つだろう。

 またPCがらみのカスタマイズに制限が設けられる一方で、アナログ文房具のカスタマイズは自由度が高い。ユーザー自身が行う「コーネル式ノート」や、メーカー側の工夫の余地もまだまだ残っている。ありそうでなかった「左右に余白」ノートはまさにそんな典型だろう。

 特に、MOLESKINEロディアなどのブランドノートは、ブランドであること自体よりも、末永く変わらず販売され続けるだろうという安心感が評価できる。自分にとっての最高の道具にカスタマイズしたのに、入手できなくなってしまった──。デジタル機器や普通のノートではこんなことも少なくない。筆者がもう10年も愛用している某社のノートもそうだ。コストダウンのためか、糸綴じからノリを使った無線綴じに変わってしまったのだ。おかげでラフに扱うと、ページがバラバラになってしまう。

 カスタマイズに堪える、真に愛用できるノートの第1の条件とは、末永く変わらないことをメーカーが約束してくれることだ。アナログノートに施した工夫は一生使えるものなのだから。

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