ボールペンの原料に──プレステ、TOTO、伊藤園のお茶の殻をリサイクル「書く・貼る・捺す・綴じる」展2007

プレイステーションのディスク素材からリサイクルしました──ソニー・ミュージックエンタテインメント社内で配布されているボールペンの中にはこう書かれているものがある。実はこのボールペン、ゼブラの「リサイクル・プロジェクト」による製品なのだ。

» 2007年08月29日 20時36分 公開
[鷹木創,ITmedia]

 プレイステーションのディスク素材からリサイクルしました──ソニー・ミュージックエンタテインメント社内で配布されているボールペンの中にはこう書かれているものがある。実はこのボールペン、ゼブラの「リサイクル・プロジェクト」による製品なのだ。都内で開催した「書く・貼る・捺す・綴じる」展2007で展示していた。


 ゼブラが推進する「リサイクル・プロジェクト」は2003年から始まった。企業で発生した廃プラスティックを原料として受け取ったゼブラが、その企業のイメージに合ったボールペンに加工して納品するというリサイクルシステムである。

 ゼブラによると、現在TOTO、伊藤園、ソニー・ミュージックエンタテインメント(SME)、日本アイ・ビー・エム(日本IBM)、湘南松下エコシステムズ、セイコーエプソンなどの企業に納品している。プロジェクト開始当初に納品したTOTOのボールペンは、同社製の便座(ABS樹脂)から製作した。伊藤園に納品したボールペンでは茶殻を練り込んだ。茶殻を練り込んだ「茶配合樹脂」はゼブラと伊藤園の共同開発で、緑茶の有効成分による抗菌性が特徴だという。

 SMEのボールペンは同社がプレスしているプレイステーションのゲーム用ディスクの原料が材料になっている。同じように日本IBMのPC、湘南松下エコシステムズの熱交換気ユニット、エプソンの使用済みインクカートリッジをそれぞれ原料にした。

 例えばSMEの場合、まずCD-ROMやDVD-ROMの原料となるプラスティックの塊を砕く。続いて形を整えて「ペレット」と呼ばれる均一の粒にし、ボールペンの形に成型するわけだ。納入価格は1本100円程度。いずれも一般販売は行っていないが、すでにTOTOには5万本ほど納入したという。

CD-ROMやDVD-ROMの原料となるプラスティックの塊
砕いて、形を整える。写真は日本IBMの「ペレット」

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