1000個以上のLED、ロームブースを照らすCEATEC JAPAN 2008

CEATECのロームブースは、使われている照明のすべてがLED。一見したところLEDだとは分からないが、消費電力は3分の1で済んでいる。

» 2008年09月30日 13時49分 公開
[斎藤健二,ITmedia]

 低消費電力で長寿命で、と照明としても注目を集めるLEDCEATEC 2008のロームブースは、なんとブース内の照明すべてをLEDを使ってまかなっている。長い蛍光灯型のLEDが700本、ダウンライト型が300個以上と、なんともぜいたくなブースだ。

 従来照明を使ってブースを作った場合、消費電力は9万1050ワットだが、LED照明で固めたロームブースの消費電力は2万7442ワット(取材時)。実に3分の1の電力でまかなわれている。

 「と言っても、このLED照明を用意するのにかかった金額は答えられませんが。今後の照明としてのLEDをアピールするために、ロームが50周年ということもあって用意しました」

ローム自体はLED照明を現在作ってはおらず、一部のLED素子とLEDパッケージを手がける部品のメーカーだ

 LED照明というと、高い(まだ数万円の単位)、低消費電力(といっても蛍光管に比べれば30%減くらい)、長寿命(4万時間くらい)といった特徴が有名だ。でも、メリットはそれだけではない。

 「LED照明に変えることで、空調温度が4度変わったところもあるらしいですよ」とロームの説明員。蛍光灯でも端子近くは100度を超えるが、LED照明では手で持ってもほんのりとしているくらいの温度。照明に必要な消費電力だけでなく、冷房コストの削減にもつながるという。

 「赤外線や紫外線を出さないので、紫外線焼けも起きないし、アウトドアなどで使ったときに虫を寄せ付けません」。なるほど、美術館などの照明に展示物が傷まないLED照明を使うという話もある。

 「自由に色温度を変えられる照明を作ってみました。例えば食品がおいしく見える色に調整する、というような使い方が考えられます」。そう話してくれたのは、車載LED用メーカーとして有名なスタンレー電気。

 いろいろなメリットがあるものの、普及への課題は明るさとコストだと各社。明るさのアップは、反射板の構造やパッケージの工夫もあるが、主にLED素子メーカーの研究開発にかかっている。コストについては、「数が出れば安くなる」と各社が言うとおりタマゴとニワトリの関係だ。そして白色LEDに必須の青色LEDについては、特許の絡みもある。少なくとも、昨今盛り上がる“エコ”が、LED照明のイメージアップにつながり、追い風となっているのは確かなようだ。

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