「エコなプリンタって言われてもねえ……」とため息をついたのは、繊維系マテリアルメーカーの若手社員、プリンちゃんとターくん。そこに現れたドクトルPが教えたのは――。
「エコなプリンタって言われてもねえ……」とため息をついたのは、繊維系マテリアルメーカーの老舗アラレに勤める若手社員のプリンちゃんとターくん。二人はこの9月に「部署に導入するビジネスプリンタ選び」の調査に当たったのだが、その涙ぐましい努力が認められ、今回はほかの部署に導入するビジネスプリンタ選びも任されていたのだ。
前回とちょっと違うのは、今回の方針が「エコなプリンタ」であること。会社全体でエコに取り組むアラレでは、部署単位でもCO2排出量削減が命じられている。プリンちゃんとターくんも上司から「CO2排出量削減に役立つエコなプリンタを選んでくれ」と言われていた。
いきなりプリンタを選べと、言われてもねえ。何をポイントにどう選んだらいいか分からないわ。
確かに僕たちはビジネスプリンタの機能はだいぶ分かってきたけど、エコって何を基準に選んだらいいんだろう?
そんな二人の背後に謎の声がとどろいた。「君たちにエコなプリンタの何たるかを教えて進ぜよう!!」
プリンちゃん&ターくん ああー、こ、この声は……。
そうじゃ、ワシじゃ。ドクトルPじゃ。久しぶりじゃの、お二人さん。
プリンちゃん&ターくん ご無沙汰してます!
突如現れた謎の男、ドクトルP。9月のプリンタ選びをご存じない読者のために説明しておくと、ドクトルPは、20年間に渡り大手OA機器メーカーで商品開発に携わった開発者で、“プリンタ博士”の異名を持っているのである。前回のプリンタ選びでもプリンちゃんとターくんは、ドクトルPの指導よろしきを得て無事ビジネスプリンタを選び果せたのである。ある意味、今回のエコプリンタ選びにプリンちゃんとターくんが任ぜられた原因もドクトルPにある――かもしれない。
そうよそうよ、ドクトルPが下手に知識を付けてくれちゃったから、私たち今回の指令を命ぜられてしまったんだわ。
そうだよ。こうなったらドクトルP、責任取ってよね! エコプリンタの何たるか、なんてもったいつけないで、とっとと教えてよ。
ドクトルP まあ、待て待て。そうワシを責めるな。これでも気になっておったんじゃ。どうやらエコから学んでいく必要がありそうじゃな。どうじゃ、まずはワシが用意してきた「エコプリンタ検定」を受けてみないか。これで分からないところもバッチリなはずじゃ!
プリンちゃん ふーん、「エコプリンタ検定」ね。こう見えても私、英検3級だし、漢字検定も4級なの。検定は得意だわ。
ドクトルP (検定が得意……、なのか?)ま、まあやってみるといい。間違った場合は解説もでるからの。
それじゃあ、早速やってみよう!
ドクトルP どうじゃ、これでエコなプリンタが分かったじゃろ?
プリンちゃん そうねえ、漢字検定3級の私には簡単な問題ばっかりだったわ。とにかくこれで何とかなりそう。
ターくん よ〜し、そろそろエコプリンタを買いに行ってみよう!
ドクトルP (ふー、何とか責任を果たしたようじゃ……)
場所は変わってIT商事――。どうやらタカフミくんとドクトルPが「エコなプリンタとは何か」について話し合っているようです。
エコなプリンタって言うけど消費電力を考えたら、オフィスではPCの方が台数が多いんだし……。PCだけ気にしてればいいんじゃないですか?
ふぉふぉふぉ、分かっとらんな。PCは個人で管理しておるから、まめに電源を落とすじゃろ。一方、プリンタは共有されておるから、電源ON/OFFの習慣がないんじゃ。24時間つけっぱなしの可能性もあるのじゃよ。プリンタの消費電力も見逃してはならんぞ。
タカフミくん じゃあ、なるべく消費電力の低いプリンタを選べばいい、ってことですね。
ドクトルP もちろん消費電力が低いプリンタを選ぶのは前提じゃ。じゃが、それだけではないぞ。例えば、プリンタを使っていない時間、プリンタはどうなってるじゃろうか?
そうか! 使わない時間はスリープモードになってるわけだから、確かにこの時の消費電力も低い方がいいですよね。ということは、稼働時の消費電力と、スリープモードの消費電力を押さえておけば、もうエコなプリンタ選びは終わったようなものですね。
ドクトルP 確かに直接的な消費電力の指標はその2つじゃ。だが、極端な例では、スリープモードだけ低くて、稼働時の消費電力が高い場合もある。また、逆のケースもある。その場合はどっちを選ぶのじゃ? 稼働時、スリープモード両方を含んで、さらに時間経過も加味した指標があればいいと思わんか?
タカフミくん う〜ん、なんだか難しいけど……。そんな指標があれば消費電力の比較も簡単だね。そんなものがあるのかな……?
ドクトルP あるんじゃ。それが「TEC値」なのじゃよ!
「TEC値(Typical Electricity Consumption)」とは、「国際エネルギースタープログラム」適合基準で、プリンタなどのオフィス機器における「概念的一週間の消費電力量」を示す。稼働状態とスリープ/電源オフ状態をウイークデイにあたる5日間繰り返し、休日2日分はスリープ/電源オフ状態のまま過ごして、その消費電力量を測定し、算出したものだ。単位はキロワット時(kWh)。
このTEC値はCO2排出量に換算できる。係数のパターンはいくつかあるが、環境省では「1kWhあたり0.555kgのCO2排出量」としているほか、電力各社などでも独自の換算するための係数を用意している。
出典:環境省「温室効果ガス排出量算定・報告マニュアル」内「温室効果ガス排出量の算定方法」の「他人から供給された電気の使用」の「排出係数」より
なんとなく分かってきました! とにかくTEC値が低い方がいいんですね。そうと決まれば、善は急げだ。すぐに買いに行かなきゃ。あんまり遅いと部長に怒られるんだよね〜。
ドクトルP こりゃ! 早合点するでない。本当にそれだけでいいのか?
タカフミくん ええ? まだ考えなきゃいけないんですか?
ドクトルP そうじゃ、おぬし、大前提を忘れてはおらぬか? つまり、何のためにプリンタを導入するのか、ということじゃ!
タカフミくん もちろん、印刷したいからなんですが……。というか、以前のプリンタは古くて印刷スピードも遅いし、仕事が遅くなっちゃうんですよねえ。
そこじゃ! エコなプリンタを導入して、仕事の効率が下がってしまった――ではしようがない。導入するからにはエコであっても仕事がはかどるプリンタを選ばなければの。
例えばOA機器や家電製品で単に省エネ化だけ図ったらどうなるだろう? 使うエネルギーが減ってしまったら、本来それらの機器が持つ基本性能(プリンタの場合は印刷速度など)に影響が出て、生産性がダウンする可能性がある。このような基本性能はキープしつつ省エネ化を図るためには機器側でのブレークスルー(進歩)が必要になってくる。
ドクトルP まだじゃ、まだじゃぞ! エコの技術は奥が深い。エコプリンタにおいては、単純に印刷スピードが速かったりしただけではダメなのじゃ。
電源ONまたはスリープモードから印刷可能になるまでの時間を「ウォームアップタイム」と呼ぶ。急ぎの時などに重視したい項目だが、ウォームアップタイムを短くするには、スリープモードでも定着器を一定の温度にしておく必要がある。当然、消費電力は高くなりがち。ウォームアップタイムの短い機種を選ぶ場合は、消費電力にも注目したい。
省電力モードも、機種によっては事前の設定が必要だ。できれば事前に設定することなく、いつでも省電力な製品を選びたい。
また、機能ではないが、本体素材に通常のプラスチックではなく植物由来のバイオマスプラスチックを採用したプリンタもある。こうした目に見えない部分にもエコの技術が隠れているのだ。
ドクトルP ……というように技術的な進歩が必要なのじゃ。
タカフミくん で、結局どんなプリンタがいいんですか?
ドクトルP ふむ、それじゃ。実はワシの“弟子”にプリンちゃんとターくんという若者がおってな、そろそろ二人が戻ってくる。きっと彼らが本当のエコプリンタを選んでくるじゃろう。
おーい!
ドクトルP お、来よったの。これが二人の選んだプリンタじゃな。
プリンちゃん そうだよ。選んだのはこれ、富士ゼロックスの「DocuPrint C2250」!
ターくん もうドクトルPの「エコプリンタ検定」を受けたら、DocuPrint C2250しか選べなくなっちゃって。
タカフミくん へー、そんなにすごいんだ、DocuPrint C2250って。
ドクトルP なかなかいいプリンタを選んだようじゃな。よく分かっていないタカフミくんのためにちょっと解説しておこうかの。
・新開発のLEDプリントヘッドの採用により、 最大1200×2400dpiの高精細出力に対応
経済情勢が急激に悪化する中、エコロジーはもちろん、生産性を上げ、コスト削減にもつながるプリンタを選びたいもの。
平成20年度省エネ大賞を受賞した富士ゼロックスなら安心じゃ。エコプリンタは「DocuPrint C2250」で決まり――なのじゃ。
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提供:富士ゼロックス株式会社
アイティメディア営業企画/制作:誠 Biz.ID編集部/掲載内容有効期限:2009年3月18日