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» 2011年11月10日 12時40分 公開

説明書を書く悩み解決相談室:新技術を説明する――素材→加工→用途のフローに分ける考え方 (1/2)

前回に続いて、誰かにちょっとした複雑なことを説明するための文書のうまい書き方を紹介。今回は文章を幾つかの部品に分けて考えてみます。

[開米瑞浩,Business Media 誠]

 「説明書を書く悩み解決相談室」第2回です!

 説明書と名前はついていなくても、ちょっとした複雑なことを説明するための文書を書かなければならない機会はよくあります。でもいくら考えてもなかなかうまく書けない、そんなときは、ぜひ当相談室へお尋ねください。解決へのヒントを一緒に探ってみようではありませんか。

 さて第2回の相談者は、ある業界のコンサルタントをされている板東さん(仮名)です。

開米 この文書はどんな目的で書かれたものですか?

板東さん 産業技術動向リポートの一種です。読み手はこの分野には詳しくないのであまり専門用語は使えません。ただ、広い意味での投資判断の参考にするために技術動向を知っておきたい、という人に向けて書いています。

開米 なるほど、ではちょっと拝見。

 (タイトル)炭素繊維加工の新技術

 炭素繊維は鉄と比べて強度が10倍で重さが4分の1という軽くて強い性質を持っているが、複雑な形状の加工が難しく、使用できる分野が限られていた。

 しかし、最近、炭素繊維で複雑な形状の加工をする技術が開発され、自動車のエンジン周りの部品などへの幅広い応用が期待されている。炭素繊維を使う従来技術では長時間かけて平たい形状を作っていたため、車や航空機のボディーやドア、翼などの平坦な部品は作れても、エンジン周りに使われる筒状や球状、あるいは急角度の曲げ加工は難しかった。新技術ではリボン状または不織布状の炭素繊維を使って数分程度の短時間で複雑な形状の部品を加工することができ、加工後に部品同士を接合することもできるため、一気に応用範囲が広がる。自動車の車体重量を4割程度削減できる可能性もあるという。

開米 なるほど……なかなか難しそうですね。取りあえず事実を列挙してみた感じの文書ですね、これは。

板東 そうなんですよね。分かった事実を取りあえず書いてみましたというだけの状態なので、何とかしたいです。

開米 分かりました。何とかしましょう! ……でも、私もこの分野は素人なんですよ。

板東 ちょっと難しいですか……?

開米 いや、実は「専門家じゃないから分かること」って結構あります。だからその点は心配いりません。

板東 え、それって例えばどんなことなんでしょう?

開米 はい、それもお話ししますけど、いったんこの文書の改善案を考えてからの方がよいでしょう。ということで、まずはこちらから。改善方針としては、例えば以下のような案はいかがですか?

開米 この話は素材を加工してある用途に使う、というフローで考えられますよね。

板東 あ、そうですね

開米 なので、素材の話と加工の話と用途の話に取りあえず分けてみるとどうなりますか?

板東 分けてみると……あれ? 加工の話が大半ですね、これ。

開米 そうでしょう。だから今度は加工の話をさらに分けます。

板東 加工の話をさらに2つに?

開米 何か分ける切り口ありませんか?

板東 新技術の話だから……あっ、そうか既存技術と新技術で比較しやすくすればいいのかな?

開米 それです! やってみましょう!

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