モンテッソーリ教育は、20世紀初頭にイタリア初の女性医師となったマリア・モンテッソーリが考案した幼児教育プログラムです。その根幹は子どもの自発性や集中力を養うメソッドであり、子どもの能力を伸ばすための独自の教具とセットで運営されています。
モンテッソーリ教育は、子どもの先天的な素養や教育環境、親の財力や学歴には関係なく、それを実行した子どもたち全員に素晴らしい成功の礎をもたらしました。
アンネ・フランクはオランダで、ピーター・ドラッカーはオーストリアで、そしてGoogle、Amazon、Facebook、Wikipediaといったインターネット業界の覇者となった若者たちはアメリカで、このモンテッソーリ教育の洗礼を受けたのです。
モンテッソーリ教育において、子どもがやることは至ってシンプルです。
「お仕事」とは、ハサミで切る、物を大きさや長さによって並べ替える、のりで貼る、糸で縫うなどのたわいのない一連の作業です。その作業をほかの人がやるのを見て、本人が「やりたい」と意思表示したときだけ、先生は「やってみる?」と誘います。決して、先生が作業を薦めたり、強要したりはしません。
モンテッソーリ教育では、先生が声でやり方を説明することもありません。子どもたちの目の前で、1つ1つの動きを分解して見せるのです。子どもたちは、それを理解しようと真剣なまなざしで先生の動きを追います。
そして自分の頭で考え、手足あるいは指先を動かして、先生に提示された見本と同じようなことができるまで、何度も、何度も、納得のいくまで続けます。
子どもたちは、しばらく集中した後、ふいにツキモノが取れたような、達成感に満ち溢れた穏やかな表情を見せて、「お仕事」を完了させます。始めるときも自分で決めて、止めるときも自分で決めるのです。その記憶は、自分の能力を100%出しきった貴重な体験として脳に刻まれます。
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