内閣府の調査では、約67%の人が老後の備えに不安を持っているとのことです。不安はそのままにしておいても消えません。漠然とした不安に立ち向かうため、今、何ができるでしょうか。
老後の備えに不安を持っている人は多いようです。35〜64歳を対象にした内閣府の調査によれば、66.9%の人、つまり3人に2人が老後の備えに不安を持っているそうです。また、65歳を超えても働きたいという人が約半数だったとのことです(2014年5月18日付 日本経済新聞)。
しかし、「いくら必要だと思うか?」という問いには、2000万円(19.7%)、1000万円(19.5%)、3000万円(19.1%)と、別々の額がほぼ同じ割合で並びました。つまり、「いくらあれば足りるのか、よく分からない」というわけです。
では、実際にはどれほどの貯蓄が必要なのか、総務省の家計調査年報(平成24年度)に基づき「65歳の夫婦2人暮らしで、85歳までの必要貯蓄額」でざっくり支出と収入の計算をしてみましょう。
まず「支出」を見てみましょう。
世帯主が60歳以上夫婦2人無職世帯の平均支出は月23万9878円。約24万円です。すると、必要額は次のような計算になります。
24万円×12カ月=288万円(年間支出額)
×20年=5760万円(85歳までの総支出額)
次に、「収入」も見てみましょう。家計調査でいうところの「社会保障給付」(主に公的年金)が月20万4976円。約20万円です。
20万円×12カ月=240万円(年間収入額)
×20年=4800万円(85歳までの総収入額)
これらを考えると次の額の貯蓄が必要だということが分かります。
支出5760万円−収入4800万円=960万円。
65歳時点で、1000万円程度の準備をしておけば良いということです。では、それにもかかわらず、「2000万円〜3000万円は必要だと思う」と考える人も多いのはなぜでしょうか。