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この1カ月ほど、ずっとMacで頭がいっぱいだったのだシゴトハッカーズ(3/3 ページ)

Mac熱に冒されているWindowsユーザーってあなたの周りにもいませんか? Macへのスイッチを検討した/実行してしまったお二人が、その魅力と課題を語ります。

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Mac → Windows → Mac & Windows

 実は私(佐々木)は、大学生時代には、Macユーザーでした。機種名も忘れてしまいましたが、LCシリーズを利用していて、OSは今では知らない人もいるかもしれません、漢字Talkというものを利用していました。

 その後、大学を卒業するころになって、Windows 95に移行して、いろいろな点で違和感を抱くことになります。慣れの問題なので当然ですが、今でも覚えている最も気になった点は、スタートメニューが下から上るという仕様でした。これはあまりにも慣れなかったので、しばらくはタスクバーを上にしていたものです。

 それが今年までずっとWindowsユーザーを続けてきて、また再びMacを使ってみると、またしてもいろいろな点で違和感を抱く羽目になりました。もちろんまたしても慣れの問題です。

 心理学には「同化」と「調節」という概念があります。以前この連載中に紹介したことがあったと思いますが、「同化」は自分に道具を合わせること。「調節」は道具に自分を合わせることです。道具と自分という関係において、これは常に両方の要素が入り込みます。100%同化では、道具は存在しないことになりますし、100%調節では、自分が存在しなくなってしまいます。

 私たちは道具を使うとき、当然同化の割合が大きいことを好みます。普通の言葉で言えば、苦労なく使える道具を好むということです。ただ、ある道具が誰にとっても苦もなく使えれば(同化しやすい)、これはよくデザインされた道具だと言えると思いますが、当然そこには個人差が現れます。

 例えば私のようなMac→Windows→Mac(Windows併用)という遍歴をたどってきたものの場合、スイッチするたびに「調節」しなければならないわけですが、

  • 単純に慣れないことからくる苦労
  • ほかの機械(道具)に慣れてしまったことからくる苦労

 の2種類があります。例えば、自動車を運転したことのない初心者ドライバーの場合、運転すること自体が「調節」の苦労ですが、日本での運転に習熟してしまったドライバーが、米国に渡って左右逆ハンドルに感じる苦労は、慣れてしまったことからくる方の苦労です。

 心理学では、この後者の方の苦労は一時的には大きくても、新しく物事を習得する苦労に比べれば問題ではない、という言い方をします。そして、最初に経た苦労がむしろ後の新しい調節を後押ししてくれるとも言います。これは、英語をマスターした日本人はドイツ語をさらに学ぶ際、かなり容易に学習効果が上がることと同じです。

 そう考えて、今回の新たな「調節」ですが、Macに自分を調節するか、それともMacとWindowsの併用に自分を調節するか、しばらく悩むことになりそうです。

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Mac | Windows | Evernote | 心理学


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