営業はしゃべってはいけない――ユニット営業で実現する“聞き取る力3倍パワー”とは:「ユニット式営業組織」のススメ(3/3 ページ)
営業マンはしゃべるのが仕事、というイメージがあるかもしれません。でも実際には「聞く」ほうが多いんです。「聞く」ために必要なのは「質問」です。2人で行くと質問に集中できる、そのワケは?
実際、明美ちゃんと同行営業をしたときにわたしはつくづくそれを感じました。お客さんが話をしている間、明美ちゃんがしっかりメモを取ってくれるので、わたしのほうは「次にどんな質問をぶつけようか」と考える仕事に頭を使えるんです。これがもう本当にありがたい。
というわけでこのへんでまとめましょう。
ユニット営業の破壊力その2:聞き取る力3倍パワーとは
- a 「質問係」と「書取り係」で役割を分担できる
- b 「質問」を考える余裕ができるので、重要な情報を聞き出しやすくなる
- C 聞き取ったことを確実に書き留めておけるので、信用も得やすくなる
それが、「聞き取る力3倍パワー」です。中でも、わたしが一番大事だと考えているのは「役割分担」です。
「ユニット営業」の「ユニット」という言葉は、「何らかの活動のために作られた集団」という意味を持っています。それも、「目的に向かって役割を分担する集団」です。役割分担が大事、役割分担が大事と、とりあえず10回唱えてみてもいいぐらいです。
実際、2人で営業に行くのがいいと言っても、単に1人が2人になっただけではだめなんです。それじゃあ人件費が2倍かかるだけで終わってしまいます。例えば「質問係と書取り係」のように役割分担をすること、これが大事です。そしてこの「役割分担」という考え方は、客先に出向いての面談というフロントの仕事だけでなく、社内で行うバックヤードの仕事においても大事なんです。
「役割分担」。このキーワードを忘れずにいてください。
それでは次回は、「バックヤードの仕事も役割分担しよう」というテーマでお話しする予定です。
著者紹介 吉見範一(よしみ のりかず)
初対面の人を前にすると全身に汗をかくほどのあがり症で営業には不向きな性格だが、ツールを多用する独自の方法を発見し注目される。現在「シロウトをプロにする」営業コンサルタントとして全国の講演で活躍中。著書に『「売れる営業」のカバンの中身が見たい!』がある。
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